「(2069年に売上高100兆円を目指す)新50年計画を実現するためには、125歳まで生きなければいかん。いつまでやるのかと聞かれると、めんどくせぇから『あと50年やる』と答えることに決めた」
日本電産の永守重信会長兼CEO(75)が、7月23日放送の「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でそう高らかに宣言した。
永守氏が1973年に創業した日本電産はいまやグループ企業が360社、従業員は約12万人、売上高が1兆5000億円超のグローバル企業に。強気の永守氏だが、コロナ禍で不安材料が浮上している。
1つは主力事業である電気自動車(EV)向けモーターなどの車載事業が期待ほど伸びていない点だ。
「21年3月期の車載事業の売上高は1兆円を目標に掲げていたが、買収したのはオムロンの車載子会社だけ。そのため昨年度の売上は半分以下の3332億円にとどまり、コロナの影響で今年4月から6月は前年度比で175億円も減少したのです。また世界最大のEV市場である中国では19年に補助金を削減してから販売が低迷し、EVの普及には予想以上に時間がかかるとみられています」(電機アナリスト)
さらに、米中対立の激化も懸念されている。
「日本電産にとって、中国は売上の20%を占める最大の市場で、次世代通信規格の5G関連やEV関連の開発を拡充すると発表している。もしアメリカが中国製品への制裁を強めれば、大きな影響を受けることになるでしょう」(同前)