開幕から一時は2勝10敗とつまずくも、その後勝率5割ラインまで戻した阪神。この勢いに誰よりも乗りたいのは、7月23日の広島戦で1年ぶりに先発登板した藤浪晋太郎(26)だろう。
最速156キロ、7回途中まで4失点にまとめたが、課題の制球難は相変わらずで与四球は6つ。だが、ネット裏で見た他球団のスコアラーは「復調の兆しが見られた」と評価する。
「抑え気味にストレートを投げても150キロ近くを計測。以前は力任せの投球でコントロールが利かず、“脱力投法”なども試したがフォームがバラバラになっていた。今回はあくまで直球を捕手のミットに投げ込む、ということをシンプルに集中してやれていたね」
試合後、矢野燿大監督は「来週、もう一度投げさせる」と明言。ただ、球団関係者は「矢野監督は決めかねている」と苦笑する。
「先発ローテの一角を任せようとしていた新外国人ガンケルの先発復帰のメドが立たず、調子がいいのは青柳晃洋くらい。いわば『枠が空いている』から藤浪を投げさせた。現状、一軍構想から半ば漏れていることには変わりないよ。実際、藤浪にはパ・リーグ全球団から何度もトレードの申し込みがあったし、矢野監督も計算できる投手としては見ておらず、『放出やむなし』の姿勢です」