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「姓を変えたらナメられる」「“普通”の結婚でよくない?」名字を変えたくない女性がぶつかった壁

 結婚するカップルのうち、夫が妻の名字に変える割合は約4%。

 現在の日本では夫婦別姓を選択することはできず、必ずどちらかの名字に変更する必要があります。「選ぶのはどちらの姓でもいい」という決まりですが、実際には9割以上の女性が名字を変更しています。

両者とも名字を変えたくないカップル、どうなってしまうの?

 名字を変えるということは、煩雑な手続きを伴い、費用もかさみます。旧姓での仕事の実績がある場合には、名字が変わることでそのキャリアとの紐付けが難しくなってしまうこともありますし、通称名を使えるとしても不便や負担は決して少なくありません。

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 また、名字を自分のアイデンティティの一部と捉えている人も多く、そうした人にとって"名前を失う"ということは、精神的な苦痛も大きなものです。

「結婚後も名字を変えたくない」と感じる理由は人それぞれですし、もちろん、名前を変えることに抵抗のない人もいます。でも、夫婦別姓が選択できない今の日本で、両者ともに名字を変えたくないと考えている場合どうなってしまうのでしょうか?

 今回は、編集部メンバーの友人でもある女性から聞いた実話をもとに、結婚を目前に控えたカップルが直面した問題と、“普通の結婚”について考えていきます。

 話を聞いたのは、コロナが流行する以前、同世代で開いた飲み会でした。20代後半にもなると結婚や出産の話が盛り上がるものだなあ。と思っていたときに、最近結婚を決めたと報告してくれていたひとりの友人が「私、やっぱり自分の名字を捨てたくないんだ。最初は変えてもいいかなと思ったんだけど、なんかやっぱりモヤモヤしちゃって、あとから話し合ったんだけど…」と、ポツリポツリと話し出してくれました。

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