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『ビューティフルライフ』で「唯一引退を考えた」…女優人生「何をやっても常盤貴子」な理由

2020/08/11
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“養生テープに見えるバングル”に「イヒヒっ」

 番組出演時、常盤貴子が身に着けていた緑バングルが養生テープに似ていたことから、 “養生テープに見えるバングル”が話題に。すると放送翌日、今度は常盤貴子が自身のインスタグラムで、本物の養生テープを右腕にはめた写真とともに「#イヒヒっ(^^)」と投稿。ネット上のイジりに恥じるでもスルーするでもなく、まさかの常盤貴子本人が明るく乗っかる形で切り返したわけである。

常盤貴子公式インスタグラムより

 

演じる役の根底にあるのは“明るく健気で強い”女性像

 彼女の再ブレイクに繋がる魅力を一言でいえば、木村拓哉が「何をやってもキムタク」と言われたように、常盤貴子も「何をやっても常盤貴子」だったからだと思うのだ。20年前に『ビューティフルライフ』でダブル主演を果たしたふたりには共通点があると感じる。

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「何をやってもキムタク」とは演技が一本調子で、どの役を演じても“素のキムタク”がセリフを発しているように聞こえる――というネガティブなニュアンスを持って語られることが多い。けれど筆者は、木村拓哉のことを純粋に男としてカッコいい人だと思っているし、嫌みとして使われることもある「何をやってもキムタク」というフレーズを、誉め言葉として用いている。

木村拓哉 ©文藝春秋

 確かに木村拓哉は演技の幅が広いとは言えないかもしれないが、下手なわけではなく、自然体の演技はむしろかなり上手い。そして、画面に映った時に視聴者を惹きつける唯一無二の存在感。その圧倒的なカリスマ性があれば演技の幅など必要ないのだ。

 常盤貴子もまた然り。「何をやっても常盤貴子」なのである。彼女の演技、演じる役の根底には“明るく健気で強い”女性像がある。

『愛していると言ってくれ』で演じた女優の卵、『ビューティフルライフ』では難病に侵され車椅子生活を送る図書館司書、『真昼の月』のトラウマを抱えた女性、『グッドワイフ』の弁護士など、演じる役の肩書や境遇は当然バラバラ。もちろん作品によって悲しんだり落ち込んだり苦しんだりするシーンもあるが、ベースとなる性格は総じて“明るく健気で強い”。良い意味で記号的なのである。