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連載完全版ドキュメント・北九州監禁連続殺人事件

被告人同士の“泥仕合”へ……黙秘を貫いてきた松永太が「7人の死」を認めるも殺意を否認

完全版ドキュメント・北九州監禁連続殺人事件 #21

2020/08/25

genre : ニュース, 社会

 緒方純子が供述を開始したことに伴う弁護団の辞任により、新たに選任された松永太の後任弁護団は、2002年11月8日に初めて開いた会見で約束したように、その後も基本的に週1回、金曜日の昼に記者への会見を実施した。

メディアには「冷静な報道」を要請

 以下、11月15日13時に北九州弁護士会館で行われた、2名の弁護士と記者たちとのやり取りについて、弁護士をA、記者をQとして記す。なお、2名の弁護士が同じ質問について、それぞれ連続して発言したものについては、ひと続きの発言としてまとめた(一部を抜粋)。

A「取材についてはいろいろ問題があり、個別取材はお断りします。まず、先入観で報道されると困ります。前打ち的に報道されると、それが捜査側に対するプレッシャーになる。証拠が薄くても迎合的になって、いろいろな弊害が出てきます。きちんとしたスタンスと良識を持って報道をしていただきたい……」

※写真はイメージ ©︎iStock.com

 過熱気味な取材攻勢への苦言から始まった弁護士の会見は、その後もしばらくメディアに向けた、冷静な報道への要請が続き、やがてもう一方の弁護士が現状報告を始めた。

調書の内容は、起訴された殺人事件についての事実関係

A「調書についてですが、一昨日(11月13日)までの段階で、9日に4通、10日に4通、11日に3通、12日に3通、13日に4通。松永さんの記憶が正しければ、合計19通(※合計すると18通だが報告ママ)の検面調書(検察官の調書)に署名・押印しました。内容については、すでに起訴された孝さん(仮名、当時61=緒方の父)の殺人事件、及び花奈ちゃん(仮名、当時10=緒方のめい)の殺人事件についての事実関係の調書がほとんどです。なかにはそれ以外の調書も数通あります。調書の分量ですが、いわゆる物語調で、ある事実について時系列的に、概括的に述べてあるような調書ではないようです。分量的にもそれほど膨大ではありません。せいぜい推測するに3~4ページです」

北九州監禁殺人事件をめぐる人物相関図

Q「調書の中身はどのようなものですか?」

A「なにぶん調書の量が多いので、ここではそれは……。あるひとつのテーマについて、こうだ、という内容の調書です」

Q「事件への関与については?」

A「関与とは、指示とかその場にいたかとかのことですよね。まあ、それは、していません。“指示・命令はしていない”という内容の調書もあります」

Q「身上・経歴の調書は?」

A「1通あるみたいですね」

Q「事件以外について、孝さんら以外についても調書があると?」

A「まあ、多くはないが、ありますね」

Q「不明親族関連ですか?」

A「詳しい内容については言えません。捜査中の事件なので……」