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連載完全版ドキュメント・北九州監禁連続殺人事件

2020/08/25

genre : ニュース, 社会

証拠もなにも見てないのに、そういうふうに書かれると……

Q「孝さんに対する非日常的通電の動機は?」

A「詳細は聞いていません」

Q「なぜ通電したのかとかは? たとえば口うるさいとか……」

A「まだ聞いていません」

Q「先ほどの結果責任と殺意というのを考えると、松永自身は傷害致死を主張というイメージでしょうか?」

A「記録がまだありませんから。いまそんなことを言っても、なんの意味もないですよ。前打ち的にね、弁護団が“傷害致死だ”なんて報道で出てきては、証拠もなにも見てないのに、そういうふうに書かれるとね……」

Q「(少女と松永、緒方、さらに緒方家親族6人の)合計9名がマンションの一室にいたという特異な状況にあったわけですが、その理由は?」

A「逆にあなたがたに言いたいのは、それについて、あなたがたの方が取材が長いから(理由を)聞かせて欲しい。我々はまだ(接見を始めて)1週間しか経っていない。松永さんにはまだそこまで聞いていません。分かればそれで納得して弁護活動ができますが……」

Q「松永の説明としては、どう言ってるんですか?」

A「我々もそれは疑問です。ただ、それについては松永さんから聞けていません。ただ、そういう(9人が)一緒にいたというのが、場合によってはそういうなかで、病院に連れて行けないだとか、あるいは部屋のなかで死んで通報できなかったとか、いろいろ考えていって、それぞれの証拠が矛盾しなければ、ああ、そうなんだ、と。でも、そのへんはそう簡単にはいきません」

 やがて弁護士が、「だいたいいいですね。今日はこれで終わりです」と告げ、約1時間の会見は終了した。

※写真はイメージ ©︎iStock.com

 緒方が供述を始めたことによって、さすがの松永も、これまで貫いていた黙秘を解かざるを得なかったということが、今回の会見で明らかになった。それは今後の、被告人どうしの“泥仕合”が、過熱するだろうことを十分に予想させるものだった。

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