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「遺贈寄付」を知っていますか? 誰かを救う幸せなお金の使い方とは

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遺贈寄付は難しい行為じゃない

 遺贈寄付とは、遺産の一部を公益性の高い団体へと贈る行為のこと。欧米諸国においては、人生最期の社会貢献の手段のひとつとして定着し始めている。

 毎年9月13日は、「国際遺贈寄付の日」。それに伴い今年は、9月5日から14日まで、日本初となる「遺贈寄付ウィーク2020」が開催される。

 ウェブサイトでの情報発信、イベントやFacebookライブを通し、遺贈寄付の持つ価値や意義、可能性を考える機会を提供するこのキャンペーンを実施するのが、全国レガシーギフト協会。全国14カ所に「いぞう寄付の窓口」を開設し、中立的相談を行っている団体だ。同協会の副理事長・山北洋二さんと事務局長・小川愛さんに、最近の遺贈寄付事情について話を聞いた。

「全国レガシーギフト協会は、2016年に設立されました。以来、日本における遺贈寄付への注目度は着実に上昇を続けてきたと自負しています。一般の方からしばしば寄せられるのが『遺贈寄付はいくらから可能なんですか?』という質問。よくよく聞いてみると、遺贈寄付は数百万円、数千万円といった単位でなければならないのではないかとイメージしている方が多いんですね。しかし、もちろん遺贈寄付は少額でも可能です。こうした心理的ハードルを下げることが私たちに課せられたミッションだと考えています」(山北副理事長)

 遺言は、公正証書遺言と自筆証書遺言の2種類に大別される。公正証書遺言は、公証人に所定の費用を支払って作成するもの。公証役場で保管されるので安心だ。自筆証書遺言は、作成は簡単かつ無料だが、書式不備による無効の可能性があり、また紛失の恐れもあった。だが、この7月には、法務局で自筆証書遺言を保管するという新しい制度がスタートしたので、その安全性は高まった。遺贈という選択も行いやすくなったことだろう。

 法律上、子どもがおらず遺言も残さなかった物故者の財産は、甥や姪などの手に渡るか、それもいなければ国庫に入ることを余儀なくされる。生涯未婚率が上がる中、自分の遺産を社会に役立たせることができる遺贈寄付に関心を持つ層も増えていると聞く。

「寄付をしてくださる方々、その寄付を受け社会のために活用する団体のみなさんとともに、私たちがとても重要視しているのが、いわゆる士業の方々。寄付者と受遺団体との間の橋渡し役を担う、行政書士、弁護士といった職業の方々のみなさんに、遺贈寄付に関する理解を深めていただくことで、遺贈寄付がより普及すればいいなと考えています」(小川事務局長)

遺贈寄付ウィーク2020
https://izoukifu.jp/legacygivingweek/

 紛争や貧困、病気などに苦しむ人々のため、遺贈寄付を検討してみてはいかがだろう。以下、遺贈寄付を積極的に受け付けている3団体をご紹介したい。

●国境なき医師団
世界中に医療を届け命を救う

紛争地で活動する国境なき医師団の白川優子看護師。
紛争地で活動する国境なき医師団の白川優子看護師。

国境なき医師団」は、紛争や貧困、自然災害、感染症などによる命の危機に瀕する人々に、人種、宗教、政治的な関わりを越えて医療を届ける民間の人道援助団体。長年にわたるその功績が高く評価され、1999年にはノーベル平和賞を受賞している。

 活動資金の95%は民間からの寄付によるもの。10万円があれば4,000人の子どもたちにはしか予防接種用ワクチンを、800万円があれば緊急支援のためのテント病院を1張用意することができるという。

 遺産寄付の実例としては、北海道大学を卒業して医師免許を取得したものの、病気のため医師として働くことが叶わなかった兄からの相続財産を寄付した女性のケースなどがある。

 遺贈寄付に関する相談は無料で受け付けている。なお、同団体へ遺贈寄付された財産に、相続税はかからない。

【遺贈寄付に関するお問い合わせ先】
国境なき医師団 遺贈ご相談窓口
電話番号 03-5286-6430(平日10:00~17:00)担当:荻野・今尾
メールアドレス legacy@tokyo.msf.org
https://www.msf.or.jp/donate/legacy/

●国連WFP
世界の飢餓をゼロにすることを目指して

世界に食料とともに笑顔を届ける。Photo : WFP/Muhammad Deab
世界に食料とともに笑顔を届ける。Photo : WFP/Muhammad Deab

国連WFP」は、世界の飢餓をゼロにすることを目指して活動する国連の食料支援機関。

 紛争や自然災害などの緊急時、難民や国内避難民、被災者にいち早く食料を届けることはもちろん、就学率の向上を後押しするため、これまで50年以上にわたり世界各地で支援してきた学校給食の提供や、自立のための食料生産、地産地消の支援といった、地域に根差した強い社会作りに取り組んでいる。さらには、食料支援のための国連随一のロジスティクスを活用し、他の人道支援機関の人員や医薬品などを輸送するサービスも提供している。

 同団体に寄せられた温かい気持ちは、困難な状況下にある人々、そして未来ある子どもたちと家族に、食料支援とともに確実に届けられる。

 同団体への寄付は、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置の対象となる。

【遺贈寄付に関するお問い合わせ先】
国連WFP 遺贈・相続財産からのご寄付
フリーダイヤル 0120-496-819(9:00~18:00/年始を除く年中無休)
メールアドレス legacy@jawfp.org
https://ja.wfp.org/legacy

●がん研究会
がん克服をもって人類の福祉に貢献

がんにかかっても、幸せな日常生活が送れるように。
がんにかかっても、幸せな日常生活が送れるように。

がん研究会」は、“がん克服をもって人類の福祉に貢献する”という理念のもと、1908年に設立された日本初のがん専門機関。

 日本人の2人に1人ががんになる時代、がん研究会の役割は重要性を増している。病院部門(がん研有明病院)では患者に対し最先端の医療を提供し、研究部門では病院と連携を取りつつ、新しいがんの予防・診断・治療の方法を開発するための研究を日々進めている。

 このがん研究会が民間の機関であり、その活動の多くが一般からの支援によって成り立っていることは意外に知られていない。寄付の中では、がんで闘病生活を送った故人が「遺産の一部をがん研究を行っている機関に寄付したい」と希望していたため、遺贈が行われたケースも多いという。

 同団体は特定公益増進法人に認定されているため、遺贈に当たっては税制上の優遇措置を受けることができる。

【遺贈寄付に関するお問い合わせ先】
がん研究会 募金課 遺贈・相続寄付担当
電話番号 03-3570-0512
メールアドレス fund@ml.jfcr.or.jp
https://www.jfcr.or.jp/donation/bequest/index.html

◆各団体ホームページ一覧

国境なき医師団
https://www.msf.or.jp/


国連WFP
https://ja.wfp.org/


がん研究会
https://www.jfcr.or.jp/