コロナ禍の巣ごもり需要で今年4~6月期に最高益を更新したネット通販の米アマゾン。だが、日本の従業員は沈痛な面持ちで語る。
「いまは怖くて、職場に行く気がしません」
7月前半、神奈川県川崎市にある物流拠点・川崎フルフィルメントセンター(FC)で、新型コロナウイルスの感染者が出た。その際、一部の従業員は仕事の合間に一人ずつ個室に呼ばれ、このような説明をされた。
「メールなど文面で説明するとSNSなどに漏洩する恐れがあるため、口頭で説明します。個人を特定できる情報は言えないが、該当者は人と接触することがあまりない環境で作業していた。また保健所にも相談し、クラスター感染の危険はないという判断をもらって、センターの業務を継続する」
そして、最後に、
「誤った情報が流れてしまうと混乱を招く可能性があるので、家族にも喋らないようにお願いします」
と釘をさされた。
前出の従業員が言う。
「作業中は2メートルの距離を取るように指示が出ていますが、同じ棚で3、4人が作業することもあり、守るのはほぼ不可能です。アマゾンは二次感染の心配はないと強弁しますが、本当に保健所に相談したのでしょうか」
従業員たちは不安に感じ、派遣社員や契約社員が意見を寄せるボードの7月15日の欄には「感染者が出たと聞きました。情報をあげていただけますでしょうか」と書き込まれた。