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「意地でも店を開け続けろ」ユニクロ従業員の悲鳴を“潜入記者”が再び取材

source : 週刊文春 2020年8月13・20日号

genre : ニュース, 社会, 企業, 読書

「ウイルスとがんは人類の課題」

 今年6月、京都大学に総額100億円を寄付すると発表した、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(71)。

 2015年から1年以上にわたる潜入取材をし、このほど『ユニクロ潜入一年』が文庫化されたジャーナリストの横田増生氏が、再び従業員を取材。当時とユニクロは変わったのか。

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 緊急事態宣言が発令された4月7日から解除される5月25日まで、ユニクロは店舗の約4割にあたる311店を臨時休業にした。

柳井正会長兼社長

「意地でも店を開け続けて、この店で売上を取れ」

 そんな中でも、営業を続けていた店で働く、首都圏の大学生の和田忍さん(仮名)はこう振り返った。

「私がバイトしている店の売上高は、前年比で2倍から2.5倍ほどありました」

 通常午後8時までの営業時間を午後6時までとする時短営業を行っていたが、来店客は通常の倍以上の状態が続いた。

「でも、こんなにたくさんのお客さんが来たら、コロナに罹るかもしれないと心配になって、従業員で休む人が出てきました」(同前)

 店長は従業員たちの気持を理解してくれたが、店長の上司にあたる「コーチ」(以前は「スーパーバイザー」)が、こう言い放った。

「意地でも店を開け続けて、この店で売上を取れ。そうじゃないと、君たちの給与は払えない」