みずほ銀行は、来年1月から、70歳未満の人が新たに口座をつくる際、紙の通帳の発行を希望したら、1冊あたり税込1100円の手数料を取ると発表した。
「三菱UFJ銀行や三井住友銀行はすでにデジタル通帳への移行を進めており、新規開設者の希望者以外には紙の通帳を発行していません」(メガバンク幹部)
各行が通帳レスを進めるのはコスト削減が狙いだ。
「紙の通帳には1冊あたり200円の印紙税がかかり、銀行業界全体では毎年700億円の税金を払っています。その他に印刷代や人件費などもかかっています。今回、みずほ銀行が設定した通帳の発行手数料は、実際にかかっている費用とほぼ同じです」(みずほFG社員)
みずほ銀行は約2400万件の口座を持つ。毎年、都会へ出る若者や大学生、新社会人などを中心に、80万件の口座が新規開設されている。
「来年から記帳が1年以上ない通帳を自動的に切り替えていく。新規口座の7割程がデジタルへ移行し、毎年十数億円のコストが削減できるとみられます」(同前)
デジタル化で先行する三井住友銀行によれば、
「2700万件ある個人口座の4割が、今年の新規口座開設者では6割が、紙ではなくウェブ通帳を選んでいます。また、コロナ禍の影響もあり、ネットバンキングの利用に拍車がかかっています」