昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載THIS WEEK

裏金から55歳の愛人にお手当77億円 82歳スペイン前国王“亡命”の裏側

2020/09/01

 8月17日、スペインの前国王フアン・カルロス1世(82)がアラブ首長国連邦(UAE)に“亡命”をしていたことが明らかとなった。

「今年に入ってスペインの捜査当局が、サウジアラビアの高速鉄道に関連して、巨額不正疑惑で前国王の捜査を開始していました。スペインの企業団が受注するにあたり、前国王は、スペイン企業やサウジの前国王などから実に100億円もの裏金を受け取り、そのうち77億円を愛人などに渡していたことが明らかになった。他にも隠し口座を使ったマネーロンダリング疑惑も報じられています」(現地ジャーナリスト)

ヨット選手だった前国王は五輪にも出場

 1975年、前国王は、独裁体制を敷いてきたフランシスコ・フランコ将軍の後継者として国王に就任。即位後は41年ぶりに総選挙を実施するなど、立憲君主制への移行をはかったことで評価を受けてきた。

「その象徴が、1981年2月に起きたクーデター未遂事件。国王親政をもとめる軍が議会を占拠し、当時の首相ら閣僚と議員350人が人質に取られた。この時、国王は親政を拒否し、全軍の指揮官に対してクーデターに賛同しないよう呼びかけたのです。結果、クーデターは不発。40年近くにわたり前国王の人気は不動となった」(同前)

 07年、ベネズエラのチャベス大統領とのやり取りも人気に拍車をかけた。

「チリで開かれた国際会議でスペインのサパテーロ首相と口論となったチャベスが、首相を一方的に罵倒。その場にいた前国王は『黙ったらどうかね』とチャベスを一喝し、その場を収めたのです。前国王は国民からの喝采を浴び、その時の音声は着メロでヒットするほどでした」(同前)