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連載シネマチャート

1980年代初頭、シチリア……男はなぜ「血の掟」に背き、組織の罪を告白したのか? 「シチリアーノ 裏切りの美学」を採点!

シネマチャート

〈あらすじ〉

1980年代初頭、シチリアでは巨大犯罪組織コーザ・ノストラの内部抗争が激化していた。パレルモ派の大物トンマーゾ・ブシェッタ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)は仲裁に失敗し、家族を連れてブラジルに逃亡する。84年、逮捕されてイタリアに引き渡されたブシェッタは、コーザ・ノストラの壊滅に執念を燃やすファルコーネ判事(ファウスト・ルッソ・アレジ)から、捜査への協力を要請される。判事の信念に感銘を受けたブシェッタは、「血の掟」に背き、組織の罪を告白する。その調書を基に逮捕された幹部らを裁く大裁判に、ブシェッタは証人として出廷する。

〈解説〉

『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』のマルコ・ベロッキオ監督が、組織を裏切った男の視点で、実際に起きたマフィアの抗争と大裁判を描く。152分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆マフィア内の権力闘争の荒っぽさ。法廷場面、檻の中の獣のようで頭の中で爆笑。判事への思い、もっと描写が欲しい。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆歴史家の俯瞰力と小説家の執着性を兼ね備えたベロッキオが貫禄。「大裁判」の場面は演出術の勝利だ。主演男優も濃い。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆コーザ・ノストラの実態を晒したブシェッタの覚悟は見応えあり。ただ裏切りの人名一覧が手元にないと面白み半減か。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆自由人の魂と高潔を備えた男が組織の堕落に立ち向かう。バロック様式を込めた破格の実録物。オペラ風の大裁判も圧巻。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★★シチリアーノのブシェッタと対峙したベロッキオから渡されたマフィア映画に号泣!ロトゥンノを想起する映像も渋い!

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©Lia Pasqualino

『シチリアーノ 裏切りの美学』(伊、仏、ブラジル、独)
8月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamura ル・シネマほかにて公開
https://siciliano-movie.com/

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