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「駅近、約1,200㎡の広大な敷地」「自宅の建て替えと地域貢献を両立する土地活用」プロが出した答えとは?

「駅近、約1,200㎡の広大な敷地」「自宅の建て替えと地域貢献を両立する土地活用」プロが出した答えとは?

“愛着ある土地を愛される場所にする”プロフェッショナルたち

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多くの土地オーナーから「土地活用のパートナー」として選ばれ続けている三井ホーム。土地活用のプロフェッショナルである同社営業担当者へのインタビューを通じ、三井ホームがパートナーとして選ばれる理由をひも解く本企画。今回は、東京都府中市にある約1,200㎡にも及ぶ広大な自宅敷地を、医院+賃貸住宅+自宅と保育所の計2棟に建て替えた事例を紹介する。本件を担当した東京コンサルティング営業部 東京西エリア 営業グループ長の西嶋俊人氏に話を聞いた。

「賃貸住宅ではなく、クリニックを建てたい」

 都心から西に延びる京王線の最寄駅から徒歩約5分の場所に、戦前から続く大地主の自宅があった。敷地面積は約1,200㎡。築約50年の自宅は老朽化が進み、建て替えを検討する必要があった。

 70代のオーナーさまは、この地に代々続く地主のご一族で、自宅周辺にも複数の賃貸マンションを所有されている方です。老朽化した築約50年の自宅などの建て替えを機に、約1,200㎡にも及ぶ広大な敷地を有効活用しようというのが今回のプロジェクトの発端です。

 銀行から弊社に相談が持ち込まれたのが2018年初め。まず自宅+賃貸住宅というプランを持ってオーナーさまにお会いしました。するとオーナーさまから「今回は賃貸住宅ではなく、クリニックなどを建てたい」と具体的なご希望があり、続けて「三井ホームさん、そういうの得意ですよね?」と言われました。

 さすがは代々続く地主の方で、不動産管理会社の経営者です。不動産情報や住宅メーカー各社の強みなどにも精通されていました。すでに複数の賃貸住宅を所有していることもあり、今回は違う形態の物件にしたかったようです。人口減少社会での賃貸ニーズの今後を少し懸念している様子も見受けられました。さらに地域貢献にもなる土地活用をしたい、という気持ちも強くお持ちでした。

 そこで自宅と賃貸医院の『ドクターズレントハウス』というプランを提案し、敷地が広いので医院を2つ誘致するということで、プロジェクトの方向性が定まってきました。

 その頃、府中市では、待機児童の問題が大きくなり、保育施設を増やすことが喫緊の課題となっていた。認可保育所を新設する場合、東京都から補助金が支給されるほか、保育所の運営事業者から支払われる賃料は、賃貸医院同様、通常の賃貸住宅よりも高く設定される傾向にあった。

 三井ホームの土地活用は、賃貸住宅や医院以外にも、保育や介護、商業などさまざまな施設建築で多くの実績を持ちます。今回の物件は、敷地面積も広く、駅から徒歩5分という好立地ということもあり、保育所としても十分魅力的な場所です。医院以外に保育所も作れば、地域の医療と子育てに貢献できることになります。オーナーさまともよく話し合い、医院以外に認可保育所も誘致することに決めました。

 最終的に今回のプロジェクトは、2棟建ての構成になりました。まず自宅が入る棟は、1階と2階の一部をドクターズレントハウスにし、2階の残り部分に賃貸住宅を3戸入れ、3階を自宅とした木造3階建てです。そしてもう1棟が木造2階建ての認可保育所です。

ドクターズレントハウス+賃貸住宅+自宅の3階建て(左)と、認可保育所を誘致した2階建て(右)
ドクターズレントハウス+賃貸住宅+自宅の3階建て(左)と、認可保育所を誘致した2階建て(右)

 ドクターズレントハウスは22年、認可保育所は20年の賃貸借契約を締結するとともに、3戸の賃貸住宅は、周辺のマーケット調査を行ったうえで、主に単身者やDINKS世帯向けに1LDKとしました。

ドクターの決定に続き、保育所も認可される

 今回のように用途の違う複数の物件を同時に建てる大掛かりなプロジェクトは、スケジュール管理や誘致のタイミングなどが非常に重要になる。「ドクターの誘致や保育園の運営事業者の選定、自治体への申請や認可など、今回はあらゆることがスムーズに運びました」と西嶋氏は話す。

 時系列で振り返ってみると、まず2018年のはじめにお話をいただいて、自宅とドクターズレントハウスのプランを検討しつつ、その年の5月にオーナーさまとドクターを募集する業務委託契約を結びました。ちょうど同じ頃に、2020年度に開園する府中市の認可保育所の公募が始まり、2棟建てのうちの1棟を認可保育所にするプランに変更しました。

スタイリッシュな外観のクリニック。1階部分は奥に引き、雨避けにしている。右側の側面にあるのが賃貸住宅への入り口。アプローチを石畳にしている
スタイリッシュな外観のクリニック。1階部分は奥に引き、雨避けにしている。右側の側面にあるのが賃貸住宅への入り口。アプローチを石畳にしている

 認可の申請をする際には、保育所の運営事業者を先に選んでおく必要があります。三井ホームのネットワークを活用して運営事業者を選定し、8月に府中市へ申請を行いました。とはいえ、審査には時間がかかり、当然却下される場合もあります。立地、敷地面積ともに申し分なく、選ばれる可能性が高いと思っていましたが、もし認可が下りなかった場合は、当初の予定通りこちらの棟も医院にするつもりで考えていました。

 ドクターが決まったのがその年の11月。近くの大病院で勤務医をされていた方です。お住まいも府中市内ということもあり、開業するならこのエリアと決めていたそうです。その後、オーナーさまとドクターが正式に契約を交わしたのが2019年2月頃。それと同じタイミングで東京都から保育所の認可が無事に下りました。

自宅と賃貸住宅部分。自宅へのアプローチは門扉で囲み、プライベート感を創出
自宅と賃貸住宅部分。自宅へのアプローチは門扉で囲み、プライベート感を創出

 最終的に賃貸住宅を3戸備えたが、実はここにも医院を誘致することを検討していたという。とはいえドクターを誘致するのは、巡り合わせによるところが大きく、決まらないことには工事に着手することはしない。

 同じ建物に入る2つの医院を同時に誘致するのは、三井ホームのネットワークを使ってもやはり簡単ではありませんでした。特に今回は自宅を建て替える必要がありますから、いつ決まるかわからないもう1人のドクターを探すために、だらだらと計画を延ばすわけにもいきません。

 幸い、医院が1つと保育所がタイミングよく決まったこともあり、自宅棟の2階は賃貸住宅に変更しましょうとオーナーさまに提案し、最終的なプランに落ち着きました。