文春オンライン

アフリカを飲み込みつつある中国人のエゲツない「黒人差別」意識

ナチュラルに人種差別を展開中?

2017/09/12
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 最近、アフリカが日中両国の新たな衝突点となったのをご存知だろうか? 今年8月24~25日、河野太郎外相がモザンビークで開かれたアフリカ開発会議に出席。同閣僚級会合で、日本側が中国の海洋進出を念頭にして、国際法に基づく海洋安全保障の重要性を確認したことに中国側が反発を示しているのだ。中国外交部の報道官は定例記者会見で「日本側の動機は不純」(8月22日)、「日本がアフリカとほかの国の関係に水をさすことを止めるよう望む」(8月28日)と、ずいぶんなおかんむりである。

 中国の対アフリカ投資額はゼロ年代なかばから急増しており、いまや直接投資残高は日本の3倍以上の325億ドル(約3.6兆円、2016年3月時点)に達する。そもそも中国は1950年代から「第三世界」諸国の連帯を主張してアフリカと独自の関係を築いてきたので、交流の歴史も長い。今回中国が見せた強い反発は、日本の動きに対して「自分のシマに手を出すな」といった感情も反映されているのだろう。

良好な対アフリカ関係を反映して、中国国内にはアフリカ系商人が集まる街も生まれている(広東省広州市内で筆者撮影)。

 欧米メディアでは「新植民地主義」という批判も出ているが、近年の中国による巨額の投資やインフラ援助はアフリカ各国でおおむね好意的にとらえられている。現在、アフリカ大陸全体からの留学生の送り出し先として中国は欧米各国をほぼ追い抜く勢いであり、中国を最大の貿易相手国とする国も多い。

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 だが、中国側の対アフリカ認識を観察すると、民間レベルではトラブルの火種が少なからず見られるようだ。今回の記事では、そんなキナ臭い兆候を感じる近年の中国のアフリカ関連ニュースやネット上の動きを追ってみたい。