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保険でどの程度カバーされるのか?

 今回、モーリシャス政府は日本側にまず漁業支援費として約32億円を請求したと地元メディアが報じたが、長舗汽船は莫大な賠償金を支払えるのだろうか。

「船を所有する会社は船主責任保険に必ず加入しています。国際的な海事法『バンカー条約』で責任の範囲は決まっており、約10万トンのわかしおの場合、上限は約20億円。また、過失や故意と判断されても、油濁事故なら10億ドル(約1060億円)までカバーされるので、保険で支払える可能性が高い」(東海大学海洋学部・山田吉彦教授)

モーリシャス島南東部のマエブールで、海辺で回収した燃料油をドラム缶に注ぐボランティア ©新華社/共同通信イメージズ

 ただ、環境法に詳しい高橋大祐弁護士が語る。

「単に従来の基準で賠償するだけでは、2010年にメキシコ湾原油流出事故を起こした英BP社のように国際社会から厳しい批判を受けることに。環境回復や被害者救済に向けて自主的に取り組むなど細やかな対応を行うべきでしょう」

 事故の対応について、長鋪汽船の広報を請け負う危機管理会社は「補償も保険会社と共に誠意をもって対応していきます」と答えた。

 モーリシャスの海が事故前の姿を取り戻すには、数十年かかるとみられている。

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