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大坂なおみ、日本で批判されてもアメリカでの評価が高まる理由

「今や大坂はスポーツ界を超えた黒人女性におけるヒロインとして見られています」(在米ジャーナリスト)

「ウエスタン・アンド・サザン・オープン」で、黒人男性への銃撃事件に対する抗議のために準決勝を一時辞退し、その後撤回した大坂なおみ(22)。スポーツに政治の問題などを持ち込むことへの拒否反応が根強い日本では、ネット上で「最近の彼女にはついていけない」「対戦相手に失礼」とバッシングがあった。

 だが、大坂は以前から、「私は、アスリートは政治を語るべきではない、ただスポーツで人を楽しませればよいと言われるのが嫌いです」と主張している。今回の件は、アメリカでどう評価されているのか。

差別に抗うTシャツ姿でコートに向かう大坂 ©共同通信社

 米国在住の作家、冷泉彰彦氏が語る。

「ボイコットについては、NYタイムズなど一流メディアが大きく報じました。女子テニス界は昔から白人中心社会で、黒人選手は活躍しても人気が上がらなかった。黒人選手の地位向上のため、今回の大坂選手の行動は非常にポジティブに捉えられています」

 大坂が差別問題について発言を始めたのは、2016年、警官による黒人への暴力に抗議し、アメリカ国歌斉唱中に膝をついて抗議したNFL選手のコリン・キャパニックに大きな影響を受けたのがきっかけだ。