水中写真家中村征夫×マニフレックス
海といのちの姿を見続けてきた水中写真家の中村征夫さんは、スプリングとプラスチックを使用しないマットレスメーカー、マニフレックスの取り組みをどう感じるのだろうか?
膨大な酸素を生み出す美しいサンゴ礁

中村さんが海の生物を撮り続けて半世紀以上になる。
「世界中の海にそれぞれの良さはありますが、最も素晴らしいのは日本。温かなサンゴ礁の海もあれば酷寒の流氷の海もあり、黒潮や親潮などによって多様な生き物が集まる。岩礁や砂地、藻場などの地形に様々な生態系を宿しているんです」
その美しい海が各地で危機的状況に陥る姿も目の当たりにしてきた。たとえば、沖縄のサンゴ礁。

「サンゴの中にいる植物プランクトンが二酸化炭素を吸収し酸素を排出するため、サンゴ礁は膨大な酸素の供給源です。さらに小さな魚がサンゴに隠れ、それを狙って大きな魚がやってくることで命の循環が成り立っている。ところが1970年代、沖縄本島のサンゴ礁は乱開発でほぼ壊滅状態になってしまいました」
以来、そこには死滅したサンゴだけが残った。
「けれど数年前に潜って驚きました。足の踏み場もないほど若いサンゴが広がっていたんです。自然の再生力に涙が出る思いでした」
小さなイソガニの姿に感動したあの日

中村さんは、最も汚染が進んでいた頃から東京湾の姿も追い続けている。
「初めてお台場の海に潜ったのが1977年。真っ黒な水に顔をつけたら、工場から垂れ流された有害物質のせいで、顔中にビリビリと激しい刺激が走りました。ところがそんなところにも何か蠢く気配がする。小さなイソガニがハサミを振り上げながらこちらに立ち向かってきたんですね。卵を抱えた雌が、僕を威嚇してきたんですが、死の海の中でも逞しく生きている生物の姿に感動しました」
漁獲量が年々減少するなどの課題は残るものの、今の東京湾は当時から信じられないほど水質が改善されているのは周知の通りだ。
「今、あらゆる沿岸にプラスチックごみが打ち寄せられるなど、海洋汚染は深刻です。けれども、決して諦めてはいけない。人間が汚したものは人間の手で元に戻ると僕は信じています」
水中での撮影は想像以上に過酷だ。被写体が現れるまで動かずにシャッターチャンスを待つ必要がある。
「流氷の下で耐えることもありますし、温かい海でさえ1時間以上じっとしていれば震えがきます。当然、腰にくる。旅先の寝具が柔らかすぎて、硬いものにして欲しいと頼んだらベニヤ板にシーツがかかっていたこともありましたが、さすがに眠れません(笑)。傷んだ体にフィットする寝具には出会えなかった」
廃棄のことまで考えて作られている熟睡寝具

理想的な眠りのためには程よい硬さで正しい寝姿勢を保てることが大切。そう考える人々に絶大なる信頼を得ているのがイタリア生まれのマニフレックス。独自に開発された芯材のエリオセル®は水から生まれた素材。適度な反発力で自然なカーブに沿って体を受け止めるため体に負担がない。
同社は1962年の創業以来、環境問題にも真摯に取り組んできた。エリオセル®は製造や廃棄の際に有害物質を排出せず、プラスチックや金属製のスプリングも不使用。SDGs17の目標のうち「12つくる責任」に対応する。
「環境問題がまだそれほど注目されていない頃から、生産と廃棄について考えていたと聞いて感心しました。これからは誰もがこの精神を持つべきですね」
またマットレスで最長15年の長期保証を実現。廃棄の頻度を減らすことで「14 海の豊かさを守ろう」「15 陸の豊かさも守ろう」にも対応。体積が8分の1になる真空ロールアップ製法で輸送時のCO2排出も削減できる。
「環境問題というと特別なことをしなくてはと思うかもしれませんが、環境に配慮した商品を選ぶ、プラスチックごみを減らすなど、毎日続けられることが大切です。例えば僕は使い古しの布を台所において、油汚れなどはそれに染み込ませて捨てます。東京湾を守りたいと思うのは一生天然物の江戸前を食いたいからですが、そういう理由で取り組むのも悪くないでしょ?」
持続可能な社会の実現へ

つくる責任
最終処分に行き詰まる「プラスチック」も、リサイクルが困難な「スプリング」も不使用。水から生まれた独自の高反発マットレスは燃やしても「有害ガス」を出しません。
体と地球にやさしい寝具

オクラホマ
表裏で寝心地を選べるリバーシブル仕様。総厚23cmのしっかりとした厚みで体圧を分散して理想的な寝姿勢をキープ。軽さも魅力。12年長期保証。シングル63,800円(税込)
●表参道ショールーム 0120-008-604
●大阪ショールーム 0120-028-008

提供/株式会社フラグスポート
www.magniflex.jp

中村征夫
Ikuo Nakamura
19歳から独学で水中写真を始 める。32歳で初めて東京湾へ 潜り、ヘドロの海で逞しく生きる生き物たちに感動。以降、 ライフワークとして取り組む。 主な著書に『海中顔面博覧会』 『永遠の海』等多数。 木村伊兵衛写真賞、土門拳賞を受賞。
text : Ayaka Sagasaki

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