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モーリー・ロバートソンさんの「テレビ業界への意見表明」で考えたこと

そりゃ衰退しますって、日本のテレビ局は

2020/09/05
note

モーリー・ロバートソン氏がツイートで興味深い意見表明

 で、9月1日にミュージシャンとしても著名なモーリー・ロバートソンさんがSNS上でテレビ局での使われ方に対して宣言をしておられて興味深かったわけです。

モーリー・ロバートソン氏のTwitterより

 

 長いですが、モーリーさんの論考を是非読んでみていただければと思います。いわば、長らく公共の電波を使って独占的に番組を無料で提供し、圧倒的なメディアパワーを誇ってきたテレビ局が、ネット時代の興隆とともに輝きを失っていく過程で番組の品質でも魅力でも他の媒体に負け始め、程度の良くない中高年の安価な娯楽レベルになってしまったことを明確に示唆しています。

不動産屋がテレビ局を兼ねている経営

 その結果として、スポンサー離れも進んでいき、テレビ局の収益は大きく低迷。そればかりか、テレビを観て育った若い世代の減少とともに、就活で人気の企業ランキングでは上位50社からテレビ局の名前が消えたとまで報じられるようになりました。もちろん、現下の収益性の問題や、人気企業ランキングのような水物だけでテレビ局を論じるべきではないとも思います。そもそも、テレビ局は番組を作りスポンサーをつけて放送するという事業よりは、高度成長とともに長年押さえてきた不動産の収益のほうが安定しており、テレビ局が放送事業で云々というよりも不動産屋がテレビ局を兼ねているというような朝日新聞社メソッドのほうが経営を見る場合正確なんじゃないかとすら思います。

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(写真はイメージ) ©️iStock.com

 モーリー・ロバートソンさんの話に敷衍する形で論ずるならば、私は主に3つの論点でテレビ産業考を喫緊にやらなければならんと思っております。