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「日本にはまだ磨いてない玉がたくさんある」コロナが暴いた日本の“実態” 危機をチャンスに変えるには…

ロバート・フェルドマン×ちきりん 社会人の学び直しが日本を強くする

香港の人に日本の永住権を

ロバート しかも「私は、マスクに反対だとは一回も言ってない」と。男性は、自分が強いところを見せたがりますけど、周りの人たちがそれを支持していることが理解できません。

ちきりん アメリカ国民にとってマスクをつけない自由とは、たぶん銃を持つ自由と同じなんでしょう。自分の身は自分で守る。つまり自己責任だから、強制される必要はない。最大限の自由を確保するというのは、アメリカの憲法の精神でもありますよね。

ロバート ある程度ね。米国では、自分の自由な行動が他人に悪影響を与えることを無視する人が、いっぱいいます。日本では他人に迷惑をかけないのが大人ですが、米国は自分の権利が中心です。おとなげないな、と思います。

ちきりん 人種差別問題も浮き彫りになったいまのアメリカを見ていると、新型コロナ感染が収まっても、留学したり働きに行くのは躊躇してしまうような雰囲気があります。

ロバート このままだと国の力が落ちてしまいます。ちょっと怖いですよ。

ちきりん そういえばここ5、6年、少なくとも東京では外国人が増えて、どこに行っても周りから外国語が聞こえていました。ところが4月以降は、また日本人しかいなくなった。

 それを見て気付いたのは、たくさんいた外国人の大半が旅行者だったということです。フェルドマンさんみたいに、日本に住み、働いたり子どもを育てたりしている人はまだまだ少ない。

ロバート いま香港で起こっている問題に、日本がどう対応すべきか。私の答えは、香港の人に日本の永住権を与えることです。「家賃も半年分払います」くらいのサービスをして、高い知識やスキルを持つ人たちに移民してもらうべきです。東京は国際金融都市を目指しているのですから、香港のIT産業、工学業界、金融業界、さまざまな業界で働いている人をごっそり連れて来られる機会ですよ。

日本経済にはまだ「磨いてない玉」がたくさんある

ちきりん 彼らからすれば、生命が保障されて安心して暮らせるなら、税金が少々高くても問題ないですよね。今回の新型コロナ問題は大きな被害をもたらしましたけど、何とか少しでもチャンスに変えていかなければいけませんね。

ロバート 私は明治神宮が好きで、よくお参りしておみくじを引くんです。明治神宮のおみくじには吉凶がなくて、明治天皇と昭憲皇太后の和歌が書いてあります。この前引いたのは、〈おこたりて 磨かざりせば光ある 玉も瓦にひとしからまし〉。

ちきりん 放っておくと玉も石になっちゃうよと。

ロバート 日本経済には、まだ磨いていない玉がたくさんあります。それを見つけて磨きましょう、ということがポイントです。

構成=石井謙一郎

ちきりん
関西出身。証券会社で働いた後、米国の大学院留学を経て外資系企業に転職。社会派ブログ「Chikirinの日記」は日本有数の人気ブログとなり、ツイッターのフォロワーも30万人を超える。

Robert Feldman
1953年、米国テネシー州生まれ。マサチューセッツ工科大学大学院卒。著書に『フェルドマン式知的生産術』など。最新刊『フェルドマン教授の未来型日本経済最新講義』が8月27日に発売。

フェルドマン教授の 未来型日本経済最新講義

Feldman,Robert ,フェルドマン,ロバート

文藝春秋

2020年8月27日 発売

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