文春オンライン

俺たちのトランプ、ついに「ノーベル平和賞」ノミネートの快挙

2020/09/11
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 ヤバい、ヤバいよ、これはヤバい。この壊れゆく世界線で、あってはならないヤバい事態が大発生だよ、ほんとヤバい。何がヤバイって俺たちの(面白がる対象の)ドナルド・トランプ大統領が、ついについにノーベル平和賞にノミネートされる、という、これね、もう世界的な虚構新聞のレベルじゃないか、夢じゃないかしら。

BBC News - Trump Nobel Peace Prize nomination - what you need to know
https://www.bbc.com/news/world-us-canada-54092960

トランプさんを覆う醜聞の数々

 いや、まあ、私もトランプさんはどうかと思いますよ。

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 公約もあり、トランプさんは不法移民が多いので対策しようとする。まあ、それはわかる。しかし、その対策のひとつは不法移民の強制送還だけでなく「メキシコとの間に高いフェンスを建てる」。紀元前220年ごろ、弥生中期だった我が国では大陸人が日本列島への往来を始め、稲作や原始的な鉄製品や文化が普及を始めたころ、秦が燕などを滅ぼして始皇帝が異民族対策のため万里の長城を築いた。そんな歴史的建造物を彷彿とさせる「トランプの壁」がメキシコ国境に作られるというのでみんなで指さして馬鹿にしていたわけじゃないですか。

トランプ大統領 ©getty

 トランプさんを覆う醜聞の数々がCNNほか左派系ニュースネットワークで次々と流され、ロシアゲートでは大統領就任にロシアの影響があったのではないかという疑惑でいまだ米国司法が騒いでおり、マティス国防長官やボルトン補佐官などなどトランプ政権を支えた重鎮は次々と政権を去っていって、そればかりか、ボルトンさんからは暴露本まで出されて、いかにトランプさんがアカンのか、ヤバい政権だったかが白日の下に晒される。

元側近に逮捕者まで。どうなっているんだトランプ政権

 ついには、オンラインを通じた架空の募金で多額の金を支援者などから騙し取ったとして、トランプ大統領の元側近で首席戦略官を務めたスティーブ・バノンさんら4人が逮捕されるという事件まで起きました。どうなっているんだトランプ政権。

©iStock.com

 アメリカ人と文化論で争論になると「でも、お前らの代表はトランプさんだろ」と言えば相手は黙る。知識人であるほど、トランプさんで大丈夫かと思い、開明的な人はトランプさんがアメリカの大統領としてしでかす各種問題の前に怒りを通り越して呆れ、愕然とし、どんなに偉そうなことを言っても今のお前らのトップはあのトランプさんなのであるという現実を受け入れきれずにいる、そんな状況だったはずなんですよ。