〈あらすじ〉
ブリュノ(ヴァンサン・カッセル)が運営する、自閉症の子供たちをケアする施設「正義の声」は、他所で見放された子たちも受け入れているため、慢性的なパンク状態にあった。友人のマリク(レダ・カテブ)は、ドロップアウトした若者たちの独立を支援する「寄港」を運営しており、教育した若者を「正義の声」に介助スタッフとして派遣していた。ある日、無認可で赤字経営の「正義の声」に、政府からの監査が入ることになる。閉鎖の危機に迫られるなか、「寄港」の問題児ディランが目を離した隙に、重度の自閉症児ヴァランタンが失踪するという事件が起きる。
〈解説〉
『最強のふたり』のエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュ両監督が、2人の人物をモデルにしたヒューマン・ドラマ。本物の介護者と自閉症者たちが多数出演している。114分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆大変な、意義ある仕事ぶりに頭がさがったが、でもなぜV・カッセル? という疑問も。ドキュメンタリーで観たかった。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆「列外の子」を捨身で守る人々の姿は胸を打つが、気負いのせいか、ときおり一本調子の描写が覗く。V・カッセルは渋い。
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斎藤綾子(作家)
★★★☆☆調査員に施設の子供たちを引き取れと、ブリュノが怒鳴る場面に現実の過酷さが滲む。優しさを体感できる描写もいい。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆「善意」を徒に茶化させないV・カッセルの笑顔が本作のシンボル。笑いと哀歓から山田洋次監督の『学校』を想い出す。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆フィクションと映画の境に希望の光がある。カッセルとカテブの柔らかな表情。自閉症についてのフレンチネスな考察。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
『スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話』(仏)
TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開中
https://gaga.ne.jp/specials/
