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「美女軍団練り歩き」などユニークな選挙戦術

 もう一人、私が着目した脇役は克行氏の弁護人、田代政弘氏。前職の検察官時代、小沢一郎氏の元秘書が有罪になった陸山会事件を担当したが、公判中に捜査報告書の虚偽記載が発覚。書いた田代氏は職を辞した。

 今回は政治家側に立つ田代氏だが、審理は検察側がリード。既に出廷した選挙スタッフ2人は克行氏を陣営の仕切り役と認定。1人は集票活動の詳細を克行氏に逐一報告していた訳を「強く叱責されるから」とこぼした。また、検察の調書から、「夜明けのアライグマ作戦」や「クジラ作戦」などユニークな愛称の選挙戦術が存在し、案里氏の肝いりは、「美女軍団練り歩き」だったことも判明。押収資料にあった「ぶ」という記号からは、夫が妻を「ぶーちゃん」と呼ぶプライベートも赤裸々に明かされた。

 審理は長くて1日6時間。有力者や業者の実名が続々と出て悪漢小説(ピカレスク)を読むようだ。毎回の閉廷時に2人の腰が縄で締められる瞬間、「細さ」に改めて驚く。

 私が傍聴券の抽選に外れたのは2度だけ。今や傍聴人は少ない。閑散とした大法廷は、長期政権のあっけない終焉を反映している。

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