「窓ガラスに養生テープ」はどれくらい有効? YKK APに台風時の“窓対策”を聞いた
24日から25日にかけて、東日本から東北地方に接近するおそれがある台風12号。東海は、これから24日の午前中にかけて、関東甲信は24日いっぱい、さらに東北は25日にかけて長く雨の強い状態が続く見込み。
今回は大雨への警戒が重要なようだが、もう一つ注意してほしいことがある。強風対策だ。昨年SNS上で話題になったのが窓に“養生テープ”を貼るというもので、今年の台風10号でも「養生テープ」は注目を集め、買い求めた人がいた。
2019年10月に掲載した記事の内容を、改めてメーカーに確認した上で、台風時の窓ガラス対策を紹介する。
「窓ガラスに養生テープ」の効果とは?
SNSを中心に注目されているのが窓ガラスへの備え。窓ガラスに×印、または「米」の字のように養生テープを貼ることで、台風対策になるというのだ。
2019年9月に台風15号が上陸した際、千葉県を中心に報告されたのが、屋根瓦の飛散や電柱の倒壊などの強風による被害。
そのような強風に対し、「窓ガラスにテープを貼るだけ」という簡単な方法が本当に有効な対策になるのだろうか? 窓ガラスなどを取り扱う、YKK AP株式会社にお話を伺った。
ガラスの“強化”ではないので要注意
――「窓ガラスに養生テープ」で割れなくなる?
ガラスが割れるのを防ぐというよりも、ガラスが割れてしまった際に破片が飛び散るのを防ぐものです。
YKK APによると、台風の際、ガラスが割れてしまう理由の多くは強風そのものではなく、「強風で飛んできたものがガラスにぶつかること」。そもそも窓ガラスはある程度の風圧に耐える強度を備えているため、強い風だけで割れてしまう、ということは少ないという。
話題となっている「テープ補強」だが、テープを貼ることがガラスの強度を上げることには繋がらない、ということには注意するべきだ。
ガラスにテープを貼るのは、あくまで割れてしまったガラスが部屋の中に飛び散らないようにするためのもので、ガラスそのものを「割れないようにする」というものではないのだ。
実際、窓ガラス用の防災テープを販売しているサイトを見てみると、「台風時の窓ガラスの飛散防止用」という表現がされている。