昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載THIS WEEK

2020/10/04

経済、コロナ、水害……北朝鮮を襲う“三重苦”

 背景にあるのが、北朝鮮を襲う厳しい国内事情だ。国際社会による経済制裁、コロナの感染拡大を防ぐための国境封鎖、8月から9月にかけて3個の台風などで起きた大規模な水害という三重苦にあえいでいる。

 北朝鮮の対外貿易の9割以上を占める対中貿易の今年前半期総額は、前年同期から67%も減少。水害による深刻な食糧不足の発生を懸念する声も出ている。

 一方で、10月10日には朝鮮労働党創建75周年が迫っている。市民はただでさえ苦しい生活に加え、水害復旧作業などに駆り出され、不満がたまっている。

水害復旧現場を視察する金委員長 ©共同通信社

「北朝鮮の最高指導者が平壌の党員に災害復旧活動を命じるのは初めて。余裕がない証拠だ」(同前)

 正恩氏は国内の混乱を避けるため、南北関係の一番の理解者である文大統領に直接訴えた方が得策と判断したのだろう。トランプ米大統領が再選すれば、南北関係が再び好転する可能性もあり、関係を破壊することは望んでいないようだ。

 ただ北朝鮮は国内で高まっている韓国の文化や製品への憧れを「敗北主義」と厳しく取り締まっている。すぐに韓国に助けを求めるわけにもいかず、厳しい状況が続きそうだ。

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春をフォロー