2003年3月5日、間もなく前年3月7日の松永太、緒方純子の逮捕から1年を迎えることから、小倉司法記者クラブは、松永弁護団と緒方弁護団からコメントを得るべく、文書による質問を申し入れた。
記者クラブから弁護団への質問
〈報道へのご理解ありがとうございます。監禁事件の1年を迎えるにあたり、司法記者クラブ加盟社の質問がまとまりました。よろしくお願いします。
【監禁事件1年質問について】
(1)1年に亘る拘置、9回の逮捕を振り返りどう思うか(発覚1年を迎えた心境)
(2)亡くなった緒方被告の親族6人に対する現在の気持ち
(3)亡くなった広田由紀夫さん(仮名=少女の父)に対する現在の気持ち
(4)逮捕当初、黙秘を貫いた理由。供述を始めた理由、及びきっかけは何か
(5)緒方(松永)被告に対する現在の気持ち
(6)緒方(松永)被告との間にもうけた2人の子どもに対する思い。一連の事件を子どもにどのように説明するのか、また、影響を考えているか
(7)監禁事件の少女(広田清美=仮名)と同居を続けた理由。少女に対しての現在の気持ち
(8)一連の殺人事件の個別の動機、事件全体の大筋の動機
以上です。よろしくご検討お願いします。
2003/3/5〉
緒方弁護団からの文章による回答
これらの質問に対して、松永弁護団は会見で、緒方弁護団は文書で回答した。まずは緒方弁護団の回答は以下の通りだ。
〈記者クラブからの質問に答えて
2003.3.7
緒方純子被告弁護団
1、発覚1年を迎えて
これまでも事実を供述してきたところですが、今後の捜査においても正直に話をし、真実を明らかにするとともに、自分の犯した罪についてはきちんと償っていかなければと考えています。
2及び3、被害者に対して
被害者の方々には大変申し訳ないという気持ちは、当然のことながら強く持っています。しかしながら、被害者の方々に対する気持ちはとても一言では言い表せるようなものではありません。今後裁判の中できちんとお話ししなければならないと思っています。
4、黙秘から自白への転換
供述態度については、いずれ時期を見てお話しさせて頂きたいと考えています。
5、松永被告に対する気持ち
松永被告にも真実をありのまま供述してもらいたいと考えています。
松永被告に対する気持ちも複雑ですが、松永被告だけを悪く言う気持ちはありません。
6、※少女に対する気持ち
少女に対する気持ちは、非常に複雑な思いが絡み合っており、自分自身いまだ揺れ動いている面があり、今は何とも申し上げようがありません。
7、動機
動機は単純なものではなく、事件によって微妙に異なるものです。
各事件の捜査手続きの中で、一生懸命記憶を喚起し、頭を整理しながら、動機についても供述しております。今後公判の中できちんとお話ししなければと思っています。
以上〉
※質問(6)の〈2人の子どもに対する思い〉についての回答は文章内になく原文ママ。