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連載完全版ドキュメント・北九州監禁連続殺人事件

2020/10/20

genre : ニュース, 社会

松永弁護団による定例会見「起訴されれば当然争う」

 一方で、3月14日に開かれた松永弁護団による定例会見では、松永側は今後の裁判で争う姿勢を顕わにしていた。弁護士は言う。

「今後の予定としては、おそらく起訴されると思いますけど、起訴されれば当然、争う。まあ、そういうことになるんで。あと、残りの事件をどうするかという話が飛び交っていますが、これまでと同じように対応していくことになると思います。お子さんの話を、取り調べの際に聞かされているようなんですね。そのことも『拘置理由開示のときに言った方がいいよ』とアドバイスしました。言ってみれば、まあ、報道されているような見方で、社会の大半の人が“極悪人”と見ているでしょうから、必ずしもそうではないんだ、ということがわかるということで……」

 これは、松永が警察での取り調べについて、「取調官から『(松永と緒方の)子どもは“お父さんはやってない”と言っている』と聞かされた」と弁護士に説明したことに端を発し、こんな話もあるということで、明かされたものである。

(写真はイメージ) ©️iStock.com

毎日新聞が掲載「緒方被告 別の不審死にも関与」

 すでに広田由紀夫さんと、緒方家親族6人のうち、5人に対しての殺人容疑が立件された。残るは緒方の妹の夫である、緒方隆也さん(仮名)に対する事件だけになったと見られているなか、3月15日の『毎日新聞』(西部本社版)が朝刊で、「緒方被告 別の不審死にも関与」との記事を掲載した。

 これは、緒方の知人女性(当時32)と子ども(当時1=※記事ママ、後の公判で当時3歳と認定)が不審死をしているという内容で、1993年9月に子どもが北九州市内のマンションで頭に大けがを負って死亡すると、その半年後の94年3月に、子どもの母親である知人女性も、大分県の別府湾で水死したというものである。

 同記事では、子どもが頭にケガをして病院で死亡した際に、緒方が子どもの母親になりすまして付き添い、医師に「椅子から落ちた事故」だと説明していたとある。その結果、病院が警察に届け出ることはなく、家庭内の事故死として扱われていたという。また、母親は身元不明の水死体として発見され、司法解剖の結果、死亡診断書には「急死」と「溺死」が併記されており、大分県警によって事件性はないとの判断が下されたそうだ。