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連載シネマチャート

“現代美術の巨匠”ゲルハルト・リヒターをモデルにした人間ドラマ 「ある画家の数奇な運命」を採点!

シネマチャート

〈あらすじ〉

ナチ政権下のドイツに暮らす少年クルトは、叔母のエリザベト(ザスキア・ローゼンタール)の影響で、絵画に強い興味を抱く。精神のバランスを崩して精神病院に強制入院させられた叔母は、安楽死政策により終戦直前に命を奪われる。終戦後に東ドイツの美術学校に入学したクルト(トム・シリング)は、同じ学校に通うエリー(パウラ・ベーア)と恋に落ちる。エリーの父親(セバスチャン・コッホ)はナチの元高官で、エリザベトに死の審判を下した人物だったが、その事実を知らないまま、クルトとエリーは結婚する。東のアート界に疑問を抱いたクルトは、ベルリンの壁が築かれる直前に夫婦で西ドイツへ逃亡し、美術学校で自分だけの表現方法を求めて葛藤する。

〈解説〉

『善き人のためのソナタ』のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクの脚本・監督作。激動の時代の東西ドイツを舞台に、存命する芸術家、ゲルハルト・リヒターをモデルにした主人公の若き日を描く。189分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆最も劇的だった時代のドイツ。3時間超という長さを感じさせない濃密さ。親衛隊医師役のS・コッホ、さすがの怪しさ。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆G・リヒターやJ・ボイス。モデルから離れて、講談に似た語りに耳を傾けたい。現代史の顔より世代論の側面が面白い。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆クルトの生きる姿が懸命で美しい。真の強さに惚れ惚れ。ゼーバントとの再会は残酷で未だに血を絶つ彼の医療には愕然。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆大充実のドラマ。ナチ政権から東西分裂へ、独の政治と美術史を巡る突端の流れの中、因縁の円環が戦慄の美に昇華する。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆リヒターという設定の圧が強すぎるのか人物像に軋みが。戦後東西ドイツ、20世紀西欧美術史を映画で体験する仕掛けに星。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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『ある画家の数奇な運命』(独)
10月2日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
https://www.neverlookaway-movie.jp/

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