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菅首相、根拠示さず「日本学術会議は政府の機関、会員任命権は自身にある」

genre : ニュース, 政治

菅首相、判断の正当性を強調 くすぶる説明責任―学術会議、任命拒否問題

 菅義偉首相は5日のインタビューで、日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命を拒否した問題をめぐり、判断の正当性を強調した。しかし、その理由は最後まで明かさず、説明責任を求める声は今後もくすぶりそうだ。

 「日本学術会議は政府の機関であり、年間約10億円の予算を使って活動している。任命される会員は公務員の立場になる」。首相はインタビューでこう語り、会員の任命権は自身にあるとの立場を繰り返した。

 首相は今回の任命拒否で、学界の「前例打破」を狙った。学術会議の会員候補について、インタビューでは「事実上、現在の会員が自分の後任を指名することも可能な仕組みとなっている」と疑問視。政府高官は「学者の世界だといっても政府の組織だ」と心中を代弁する。

 その一方で、6人の任命をなぜ拒否したのか、首相は根拠を示さなかった。学術会議側は理由を明らかにするよう要求。野党も猛反発する中、問題の沈静化とは程遠い状況だ。

 政府は1983年の国会答弁で、首相による会員任命は形式的にすぎないと明言。これに関し、首相は「過去の国会答弁は承知している」と語ったが、法解釈を変更したかどうかの説明は避けた。

 しかし、内閣府と内閣法制局は2018年11月、日本学術会議法の解釈について協議し、「推薦された人物を必ず任命する義務はない」と確認。20年9月にも同様の認識を擦り合わせたという。

 法解釈の変更をめぐっては、安倍政権時に集団的自衛権の行使容認や検察官の定年延長で、世論の批判を受けた。今回の任命拒否が、高支持率でスタートした菅政権の足元を揺るがす可能性もある。

 政権内には懸念も広がっている。政府関係者の一人は「首相は自分で招いたことなのにおろおろしている」と指摘。「始めからやらなければよかった」と嘆いた。連立を組む公明党からも「大失敗だ。首相の責任は免れない」(関係者)と厳しい声が漏れる。

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