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「エリート不倫」は、なぜ新幹線で油断するのか?

「週刊文春」9月14日号最新レビュー

2017/09/09

 Twitterで「前原 菓子パン」を検索すると、頻繁にこのネタがツイートされているとわかる。秘書が買ってきた菓子パンを「菓子パンなんか2個も食えるか」と怒鳴り散らしてゴミ箱に捨てたという、前原誠司の逸話だ。

「前原 菓子パン」のネタ元は週刊文春2007年10月18日号。以来、たゆむことなく語り続けられている。いわば現代の古典である。

「週刊文春」2007年10月18日号「小沢一郎 岩手を離れ『東京出馬宣言』」より。キャプションに“菓子パンマン”とある

 その前原が今月、民進党の代表となった。

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 代表に選出されるなり、前原はいきなりすっ転ぶ。きっかけは文春、今週号の右トップ「山尾志桜里 イケメン弁護士と『お泊まり禁断愛』」はその顛末である。

東大法学部、司法試験合格、IT実業家と結婚

 前原体制の目玉として、「山尾幹事長」を決めたものの、その後、撤回。代表代行に差し替えるも、それも取り止める。こうした右往左往の背景には、文春がつかんだ山尾志桜里の不倫があった。

2009年の山尾志桜里 ©山田真実/文藝春秋

 山尾は、トヨマユ先生と同じく、1974年生まれの東大法学部出身。大学卒業後に司法試験に合格し、検事となる。いわばエリートだ。その後、民主党が大勝する2009年の衆院選で当選して、国会議員に。またIT実業家と結婚し一児の母親でもある。

 それが、9歳年下の男と不倫である。お相手はイケメン弁護士で、記事によると「企業コンサルタントや離婚・男女問題」を得意にするそうだ。ちなみに今週号で文春の突撃取材を受けている、“ゲス不倫”の宮崎謙介は現在、「神社仏閣再生コンサルタント」である。

 このエリート不倫カップルの逢瀬を、文春はわずか1週間に4日も確認する。おかげで誌面は、イタリアンレストラン、男性のマンション前、高級ホテル、アウディの車内、新幹線の車内での二人の姿を捉えた写真で飾られている。