巨人の独走に加え、今季はCSも行われないため、「現実的には既に消化試合」(ベテラン記者)と言われているセ・リーグ。2位阪神もコロナ感染者を出し、追撃どころかスタメンのやりくりにも苦心する状況だ。
そんな最中の9月26日、神宮球場のヤクルト対阪神戦で、盛り下がるリーグを白けさせる“場外乱闘”が展開。関係者の話をもとに一部始終を再現しよう。
8回表、阪神の攻撃が終わった後、矢野燿大監督が選手交代を告げるためにベンチを出ると、審判団はなぜかバックネットの記者席付近にいた。そこで矢野監督は、カッカしている審判団から「外部からの情報伝達の疑いがあるので聞いている」と説明され、激怒。「そんなこと、するわけないやろ」「遅れるから試合が終わってからでええやろ」と食って掛かり、約6分間、試合が中断したのだ。
審判団が問題視したのは7回表、阪神の攻撃中のこと。アウトと判定された本塁クロスプレーについて阪神がリクエストし、審判団がビデオのリプレイ検証をしている間、球審だけがグラウンドに残っていた。そこで次打者の近本光司が井上一樹打撃コーチに「セーフらしい」と伝える動きを見せる。それを目撃した球審が記者席から情報が伝えられたと疑い、森健次郎責任審判に報告したのだ。
だが、事実は違った。