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2020/10/15

結婚もそう、出産もそう、なんで私にはできないんだろう

 子供の頃から、みんなができることができませんでした。小学生の頃、リーダー格の女子に「やっちゃんはどう思う?」と聞かれ、答える度にグループで無視をされました。なんでみんなは答えがわかるんだろう。大学生の頃、バイトをクビになってばかりでした。ミスしてクビになったのは仕方ないが、ミスしなくてもクビになる。なんでみんな続けられるんだろう。結婚もそう、出産もそう、ほとんどの同級生ができたのに、なんで私にはできないんだろう。

 いつも人の目を気にしています。みんなができることができなくて、できないことがバレるのが恥ずかしいから、「元々、人と同じは嫌いなの」風を装っていました。自由奔放に生きるなんて私から最も遠いことです。もうすぐ50歳、もう考え方を変えられるほど柔軟じゃない。だったら、ひん曲がったなりにナチュラルに生きてみよう。

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東京外国語大学に通っていましたが、英語が話せません

 一つのことを追い、極めることが世間では素晴らしいとされています。でも私にはできそうもない。じゃ、どうする? 深さじゃなく、広く浅く、数で勝負するのは? 「逃げ」と「新しい挑戦」の線引きなんて曖昧なもんだ。これは「挑戦」だ。私は文房具屋になりたかった。手芸屋にも、花屋にもなりたかった。留学したかった。海外に住んでみたかった。広く浅く全部に手を出そう。今から全部叶えよう。

 と開き直ったのも留学する動機の一つです。

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 私は東京外国語大学に通っていましたが、英語が話せません。丸暗記のザ・受験英語でなんとか合格した私は、入学と同時に挫折しました。多くの同級生が英語を話せたんですもん。英語は大学で学ぶものじゃなく、専攻語を学ぶ時に使うもの、話せて当然のものだったんです。ぎゃ。スピーチコンテストに学校代表で出ちゃうような背筋ピーンの人たちに、私の発音は笑われました。私のこの性格です。そう、すぐに大学から逃げました。そしてお笑いライブに通うようになりました。