10月2日、トランプ大統領はコロナ陽性で入院した。74歳の高齢でハンバーガーばかり食べているトランプは死に至る危険性が高く、憲法修正25条に従って権力の移行も取り沙汰された。
この一週間に少なくとも22人がトランプの周辺でコロナ陽性になった。メラニア夫人、ホープ・ヒックス元広報部長、ケイリー・マクナニー報道官、スティーヴン・ミラー上級顧問、ケリーアン・コンウェイ元上級顧問、選対本部長ビル・ステピエン……。
その多くが9月26日の最高裁判事の指名式に出席していた。ホワイトハウスの中庭ローズ・ガーデンに集まった200人の8割は、マスク嫌いのトランプにならってマスクをしていなかった。さらにソーシャルディスタンスも無しで、握手どころかハグやキスさえしていた。トランプ自身がクラスターを作ったわけだ。感染症専門家の警告を無視して。
就任以来、いちども自分の非を認めたことのないトランプもさすがに今回は反省するかと思ったが……。
トランプはなんと入院から3日後の10月5日に退院し、ホワイトハウスに戻った。
「私はコロナについて学んだ。完全に理解した」トランプは退院を国民に報告するビデオを発表した。相変わらずマスクはつけてない。
「コロナを恐れるな! コロナに人生を支配されるな!」
そう言って自信たっぷりに親指を立ててみせた。何も変わってない! いや、前よりも元気かもしれない。
「私たちは好きでコロナに人生を支配されたわけじゃない!」
コロナで亡くなった俳優ニック・コーデロの未亡人アマンダ・クルーツは怒りのビデオをインスタグラムに投稿した。トランプのツイートは、自分のコロナ対策のミスで亡くなった21万人と、その遺族にあまりに失礼だ。