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この手だったらいけるかもしれない……「愛していると言ってくれ」豊川悦司が聴覚障害の役となった理由

 コロナ禍でテレビ各局の新作ドラマが放送延期になるケースが相次いだ2020年、「恋はつづくよどこまでも」(TBS系)、「野ブタ。をプロデュース」(日テレ系)など、多くの名作ドラマが再放送された。とりわけ話題となったのは、5月31日から4週連続で「2020年 特別版」として再放送された、「愛していると言ってくれ」(TBS系)だ。再放送放送直後には、“トヨエツ”というワードがツイッターのトレンド上位にランクインした。

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 同作が放送されたのは1995年夏。聴覚障害を持つ画家(豊川悦司・58)と、女優の卵(常盤貴子・48)が織り成す純愛ストーリーだ。

「2000年代の再放送ドラマが大半の中、旧作の『愛して〜』は、豊川と常盤による“リモート対談”を加えた『2020特別版』として、5月末から4回に分けて放送されました」(テレビ雑誌ライター)

 95年の放送時の最高視聴率は28.1%。“恋愛ドラマの女王”と呼ばれた北川悦吏子氏が脚本を手掛け、DREAMS COME TRUEの主題歌「LOVE LOVE LOVE」は年間トップの約250万枚を売り上げている。

トヨエツこと豊川悦司

 今回の特別版が6月21日に最終回を迎えると、SNSを中心に“トヨエツ・ロス”の声も相次いだ。

聴覚障害を持つ役は常盤貴子の予定だった

 TBSで同作のプロデューサーを務めた貴島誠一郎氏が制作秘話を明かす。

「企画段階では、聴覚障害を持つのは、ヒロイン役の常盤さんの予定だったんです。ですが、豊川さんに出演交渉した際、『自分に聴覚障害がある設定はいかがでしょうか』と。主役がしゃべらないのはさすがに視聴者に伝わりにくいと思い、返事を保留させてもらったのですが、その日の帰り際、豊川さんが『では、また』と振った手のひらが大きくて、とても綺麗で。この手だったら、いけるかもしれないと思ったんです」

 豊川の手が繰り出す表現豊かな手話は、「愛して〜」の見どころの一つ。