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「不動産への眼力は天才的」ニトリ会長“お値段以上”で島忠買収に動いた理由

2020/11/04

 家具最大手「ニトリホールディングス」が、ホームセンター業界7位「島忠」の買収に動いている。島忠を巡っては、ホームセンター業界2位の「DCMホールディングス」が友好的TOBを実施中で、そこにニトリが敵対的TOBで割って入る形だ。

「DCMが当初、島忠に提示した価格は1株3800円。あまりに低いと折り合えず、最終的には4200円で決着した」(投資ファンド幹部)という。それでも買収総額は1600億円規模に留まり、島忠の純資産約1800億円を下回る。DCMにとって「負ののれんが200億円も発生するお買い得な案件」(同前)だ。

 この割安な買収価格に目を付けたのが、ニトリの似鳥昭雄会長(76)だった。

株価予想の的確さでも知られる似鳥会長 ©文藝春秋

「似鳥氏が着目したのは島忠の持つ優良不動産。島忠の店舗は東京、神奈川、大阪など大都市圏が9割を占め、都心の店舗網拡大を狙うニトリにとっては魅力的です。しかも島忠は、自己資本比率が80%近く、手元資金も約200億円と財務体質も優れている。ニトリは、4200円を大きく上回る買収価格を提示すると見られます」(同前)

 似鳥氏と言えば、北海道の小さな家具屋を、日本を代表する企業にのし上げた立志伝中の人物。担当者だった信託銀行OBが明かす。