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「賞味期限を過ぎたら食べないほうがいい」が間違いである根本的な理由

たしかに、多くの食品は賞味期限切れであっても問題ないのですが、食品の原材料や製法、それに容器等によって、品質がどの程度保たれるかはまちまちです。そして、非常に重要なのは保存方法。温度や湿度等によって食品の品質劣化のスピードは大きく変わるので、一括表示欄に、「要冷蔵(10℃以下) 」「直射日光を避ける」などと記載されます。期限が有効なのはこの保存方法を守って保管されていたときだけ。期限と保存方法は必ずセットでチェックされるべきです。

たとえば、日本缶詰びん詰めレトルト食品協会は「缶詰、びん詰、レトルト食品は賞味期限を過ぎたらどうなる?」というページを設けて、それぞれの特徴や保存方法を説明しています。

賞味期限が切れたら食べない方がよい食品もある

食品の種類によっては、賞味期限切れを食べない方がよい、という食品もやっぱりあります。個人的には、浅漬けは賞味期限が切れたら食べません。浅漬けは野菜を生の食感のまま漬けるという商品の特性上、加熱殺菌が難しく、開封前であっても中に菌が含まれています。しかも、塩味が薄いため塩分による菌抑制効果がなく、日が経つと増殖し変質しやすいのです。事業者によっては消費期限を表示するところもあり、衛生品質の管理は容易ではありません。

一方、同じ漬物であっても容器包装に充填後に加熱殺菌したものもあり、賞味期限が切れた後もかなり長期間、おいしく食べられます。消費者にとってはなんともわかりにくい話です。

賞味期限切れの食品をいつまで食べられるか、というのは、食品のことを知れば知るほど、どうしても説明の歯切れが悪くなる難問です。賞味期限切れの食品を販売する店が、こうした科学を知ったうえで販売してくれるとよいのですが。

「食品ロスを減らすために食べましょう」だけで片付けられることでないのはたしか、です。

5.事業者が表示する期限は、開封されていない時のみ有効

実際のところ、これがもっとも大きな誤解かもしれません。消費期限も賞味期限も、加工食品が開封されておらず、表示に記載された保存方法が守られていた時のみ有効です。パッケージが開けられると、空気中をただようカビの胞子や消費者の手に付いた細菌等が中に入り放題となり、温度によっても微生物の増殖や食品成分の変質状況は変わりますので、事業者の責任の範疇ではありません。消費者は、開封したらなるべくはやく食べきるのが鉄則です。