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2020/11/21

source : 文藝春秋 digital

genre : ライフ, スポーツ

これまで500人はイップスになった人を見てきた

――シンプルで、簡単な動きほど、イップスにかかりやすいと言われますが、そういう意味でいうと、ダーツはイップスになる人が多そうですね。

浅田 多いですよ。これまで500人くらいはイップスになった人を見てきたと思います。ゴルフのパターもなりやすいと聞きますが、ダーツはパターばっかりやっている感じに近いと思います。スポーツの中で、いちばん多いんじゃないですか。

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――あるプレーヤーが「ダーツはあるレベルを超えると、入れることじゃなくて、外しちゃいけない勝負になる」と。サッカーのPKとか、バスケットのフリースローみたいですよね。

浅田 そうです、そうです。入れて当たり前。しかも究極の「静」から「動」への動きでもあるので、非常に緊張を強いられるんです。

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――うまく腕が出せなくなったあと、どのように対処されたのですか。

浅田 ダーツは20グラム弱の矢を2メートルなんぼ飛ばす力が伝わりさえすればいいんです。その微量な力をどこから出すか。僕の場合は、腕を引いたら出なくなってしまったので、引かなければいいんだ、と。つまり、最初から引いておく。でも、それでは力が伝わらないので、ちょっと腕の位置を高くして、そこから落とすような感覚にしました。それでもうまく腕が出ないのであれば、手首だけで投げればいい。あとは極論ですが、指先で弾くだけでも、2メートルくらいなら飛ばすことができるかもしれない。そんなところから始めるだけでもだいぶ気分が楽になりました。