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座間9人殺害事件 白石被告は、17歳女子高生の「解体した内臓を買い物袋に入れた」

裁判傍聴レポート

2020/11/03

genre : ニュース, 社会

「悩みは話してくれましたが、私に対して、心の底から打ち解けるのではなく、なんとなく、薄っぺらい内容であったから記憶も曖昧です」

 2017年神奈川県座間市で起きた男女9人殺害事件の裁判員裁判の第15回公判が11月2日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で行われた。この日は、7人目に殺害された埼玉県さいたま市の高校生Gさん(当時17歳、女性)に関する被告人質問が行われた。

©️渋井哲也

自転車の前カゴには被害者の内臓が…

 白石隆浩被告(30)は、検察官や弁護人の質問に対して、記憶が曖昧であり、証言に一貫性がなかった。そんななかで、Gさんの遺体の一部を買い物袋に詰め、自転車で運んだことを証言した。また、現在着用しているメガネは、Gさん殺害後に奪った現金で買ったものだったことも明らかにした。

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 白石被告は、Gさんを殺害後、自転車で駅方向に向かった。2017年9月30日18時59分、アパートと駅の間の防犯カメラにその姿が映っていた。その静止画像は、証拠調べでモニターに示されていた。そのとき、たしかに、自転車の前カゴには買い物袋があった。

「大きさから推察するに、衣類やカバン、財布、そして、Gさんの内臓が入っており、線路の反対側にあるコンビニのゴミ箱に捨てに行ったと思います」

一切の葛藤なく殺害に及ぶ白石被告

 遺体を解体した後に、内臓を処分するため、白石被告は、その一部はコンビニのゴミ箱に捨てているということだ。他の部分は、燃えるゴミの集積場に捨てている。防犯カメラに映っていた時間帯の後も、ドラッグストアとコンビニで食料品を買っている。クリエイトS・Dでは、カップ焼きそば2つ、ローソンではペペロンチーノ、スモークチキンサラダ、にんにく43グラム、明治チョコレートなど。これらは食事用に購入している。検察官に「(遺体の)臭いがあったと思うが」と聞かれたが、「Gさんの頃には慣れていました。食欲も減退していません」と答えた。

事件現場のアパートに入る捜査員たち ©時事通信社

 筆者の面会時には1人目を殺害した後には頭痛がしたと言っていたが、それ以降は、慣れてしまったのだろう。殺害に葛藤はほぼない。Gさん殺害後、所持金3万円程度を奪った。弁護人の質問に、白石被告は「たしか、(お札を)数えて、これだけあればメガネが買える(と思った)」と答えた。実際に、奪った現金でメガネを買っている。そのメガネは、現在、法廷でかけているものだという。