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「裸にされても皇帝を続けるピエロ」で決裂 習近平が仕掛ける“兄”との暗闘

2020/11/11

 中国の重要会議・党中央委員会第五回全体会議(五中全会)は10月29日、今後の5カ年計画と15年間の長期目標の基本方針を採択して閉幕した。予想されていた後継者人事が発表されず、最高指導者・習近平氏(67)が2022年秋の党大会を待たずに3期目続投の流れを固めた模様だ。

 そんな中、習氏は王岐山・国家副主席(72)に暗闘をしかけている。

 もともと習氏にとって王氏は頼れる兄のような存在だった。文化大革命時代、父が失脚して農村で過ごしていた習氏は、洞穴で王氏から様々な教えを受けた。習政権1期目では王氏は党規律検査委員会書記として党や軍幹部の汚職摘発キャンペーンを指揮し、18年に国家副主席に就任。王氏は7人いる政治局常務委員ではないが、常務委員会会議に参加する待遇を得ている。

王副主席(左)と習主席 ©共同通信社

 盤石だった2人の関係が崩れるきっかけとなったのは、コロナ禍の今年3月、王氏の刎頸の友の発言だった。実力派企業家・任志強氏(69)が、SNS上で党批判に加えて、習氏を「裸にされても皇帝を続けるピエロ」などとこき下ろしたのだ。党籍を剥奪された任氏は、収賄などで懲役18年という重刑に処された。

 さらに10月初め、王氏の大番頭だった党中央巡視組の元責任者・董宏氏(67)も党規律検査委の調査対象に。拘束されて汚職の疑いをかけられているようだ。

 10月中旬、習氏の演説中、王氏が習氏を見ずに横を向いている写真が報じられている。