「王氏の使命が習一強体制の確立で終わった」
加えて新たな動きもある。江沢民、胡錦濤、習近平と3代の党総書記のブレーンとして仕えた王滬寧・政治局常務委員(65)が、18年間務めた中央政策研究室主任の座を降り、副主任の江金権氏(61)が昇格した。五中全会終了翌日の10月30日、突如として明らかになった異動の思惑を巡り様々な憶測が飛び交う。
王滬寧氏は、習氏にあらゆる権力を集中させ強い党指導者になれば党や国家の安定につながるとする“新権威主義”理論で支える張本人。そんな「王氏の使命が習一強体制の確立で終わった」(消息筋)と言うのだ。
中国には「功高蓋主」という言葉がある。側近の功績が大きくなりすぎたゆえに、主人の影が薄くなってしまう皮肉を指す成語だ。習氏にとって2人の王氏はそんな存在かもしれない。
政治的野心はないと言われた王滬寧氏だが、思想・メディア担当の政治局常務委員として活躍する中、習氏の意向を受けて王岐山氏を1期5年で国家副主席退任に追い込み、後継の座を狙っているとも囁かれる。党独裁下の歯止めなき権力争いは永遠常在だ。
