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2020/11/10

ベタな“ドSイケメンキャラ”の魅力を再確認

 同作で佐藤健は「東京ドラマアウォード2020助演男優賞」を受賞。その際にはこう語っている。

「世の女性たちを胸キュンさせるというミッションを課せられたのですが、女心が分かるかというと難しかった。プロデューサーの方たちにシーンごとに意見を聞きながらやらせていただきました」

「恋はつづくよどこまでも」(番組公式サイトより)

 佐藤健の“プロの仕事”で「恋つづ」は視聴率・評価ともに右肩上がりに上昇し、社会現象と化していったのだ。

 「恋つづ」フィーバーが起きる前までは、“ドSイケメンキャラ”はあまりにベタすぎてちょっと古い感じが否めなかったが、なんだかんだ言っても「いつもは厳しいあの人がふとした瞬間に見せる優しさ」「強引にキスされる感じ」の魅力は永遠なのだということを再確認することになった。

理想のドSイケメンなのに批判的な意見が噴出

 今回、中村が演じているのも、そんな安定の魅力を湛える“ドS イケメンキャラ”だ。

「この恋あたためますか」(番組公式サイトより)

 「恋あた」の浅羽は最下位コンビニチェーンの改革を託され、親会社から出向し社長に就任。自らの成功を企む超合理主義者でかなりクールなため、一見、何を考えているかわからない。しかし一方で、家庭不和のトラウマを抱えていて影があり母性本能をくすぐられるところもある。

 まさに理想のドSイケメン。佐藤健に負けず劣らず胸キュンフィーバーが起きてもおかしくはない。にも関わらず、批判的な意見が噴出しているのだ。

 そもそも中村倫也といえば、どんな役にもハマる幅の広い俳優だ。

 「ホリデイラブ」(テレビ朝日系・2018年)では男尊女卑で、「このアバズレ女が!」などと“言葉攻め”するモラハラ・パワハラ・DV男を演じていた。しかし、そこにはコントロールできないほどの妻への愛と独占欲の強さが見え、単なるクズでは終わらないのが、中村倫也ならではだった。

「ホリデイラブ」。中村は左下(番組公式サイトより)

 「凪のお暇」(TBS系・2019年)では、“距離感ゼロ”の人たらしで、女性たちの心を病ませてしまう“メンヘラ製造機”ゴンを演じた。相手の心の中にスルッと入り込み、優しく心地良く全身を侵していくような”毒“は、中村倫也にしか醸し出せないものだった。