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検察がやってきて「部屋着をパーッと脱いで全裸に…」河井案里参院議員が逮捕直前に語ったこと

「もらい事故って感じですよ」独占告白3時間〈自殺未遂、全裸事件、買収…すべてを聞いた〉【全文公開】

2020/11/13

合計2000万円を超す現金を配ったとされるリストを押収

 その後、事情聴取は3月に4回。GWにもあり、計6回行われたという。一回当たり6~7時間。案里氏の担当検事は2人。夫とは常に別々に行われる。場所は、都内のホテルの一室だ。

「事情聴取をしたのは、あの日の(押し入ってきた)15人とは違う検事だったみたい。でも私、わざと聞いたんです、取り調べの前に。『あの夜、オータニに来られた方?』って。

 聞かれるのはいつもウグイスのことでした。いくら私が知らないと言っても、『知らない』ということを証明はできないし。だから不毛な取り調べでした」

 ウグイス嬢の違法買収については、6月16日に第一審の判決が出て、案里氏の公設秘書、立道浩被告が有罪判決を受けた。この捜査の過程で河井夫妻の自宅から、100名以上の県議や首長らに合計2000万円を超す現金を配ったとされるリストが押収され、広島地検はさらに、公職選挙法違反(買収)の疑いで、河井夫妻2人の逮捕を目指してきた。4月には案里氏の地元後見人だった元広島県議会議長、檜山俊宏県議の事務所にも家宅捜索が行われる一方、安芸太田町長が克行氏からの20万円の受領を認めて辞職するなど動揺が続く。

「検察がむりくり、絶対に主人がお金を渡した、と言っているんですよ。例えば檜山先生には、たとえ陣中見舞いでも、何かを差し上げること自体、(目上の人なので)無礼に当たるって感じです。検察は買収と言われている件について、まだ私たちには当ててこないんですよ。今後、身柄を取って本格的に調べるのかもしれませんね。でも、私は、身柄を取られるようなことはまったくしていない」

 一般論として、例えば自民党国会議員の政党支部から同党地方議員の政治団体などへの「寄付」は政治資金規正法上、認められている。河井夫妻が現金を配ったとされる時期が昨春の統一地方選の前後のため、陣中見舞い、当選祝い、という理屈が成立すると見る識者もいる。一方で、金銭授受の時期が案里氏の参院選直前でもあり、しかも直接、現金を配る手法だった今回のような例は、公選法で禁じられた「買収行為」の疑いが濃いとする指摘もある。

今年1月、国会で頭を下げる克行氏

1億5000万円は「きれいなお金」

「(安芸太田町長の件は)主人がやっていることなので、私自身は知らないんです」

――ただ、案里議員が数名の地方議員に封筒を持っていったとも報じられている。

「私はあの、そういう、説明できないようなことは何もしていませんよ。ただ、(金銭の)やりとりについては先方のこともあるし、私が今ここで言うべきことではないので。それぞれの方の収支報告書にも載るでしょうから(昨年分はこの11月に公開される)」

上は自殺未遂前夜の3月27日、下は6月15日のメール

――選挙資金となった1億5000万円については。

「あれは党からのお金です。党からの振り込みで通帳にも記録が残っている。まったくきれいなお金です。皆さん1億5000万円という数字に恐れをなして、うがった見方をしているようですが、人件費、事務所経費、印刷物、全戸配布のポスティングなどで、使い切りました。全戸配布なんて3回もやりましたから。1億5000万円を原資に(県議らを)買収したなどと言われていますが、一切そんなことはない」