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刀で十数カ所をメッタ刺し…トランプと対決した日本人ギャンブラーは、なぜ血の海の中で死んだのか

2020/11/13
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 米大統領選はトランプ大統領の敗戦がほぼ確定した。郵便投票では不正の告発が行われ、トランプ大統領は訴訟を連発しているが、主要メディアはバイデン勝利に染まっている。

 そのトランプ大統領がかつて所有していたカジノで戦い、後に惨殺された日本人がいる。

日本刀のような長い刃物で十数カ所をメッタ刺し

 1992年1月、山梨県の河口湖を望む、不動産会社社長・柏木昭男氏(当時54歳)の大邸宅――。

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 その日、家族はイチゴ狩りに出かけ、風邪気味だった柏木氏は1人残った。家族が午後9時半に帰宅すると、20畳の広さの台所が血の海となり、柏木氏が倒れていた。

 日本刀のような長い刃物で首や胸など十数カ所をメッタ刺し。居間で襲われて台所へ逃れ、仰向けに倒れて失血死していた。

写真はイメージ ©️iStock.com

 部屋の中は荒らされておらず、現金や高価な品物は手付かずだったため、強い怨恨による犯行と見られた。

容疑者は否認を続けて釈放

 山梨県警は捜査本部を設置し、連日100人を超える捜査員を動員。1カ月後、暴力団幹部の男性を殺人容疑で、男性と親しい女性を証拠隠滅の容疑で逮捕した。

写真はイメージ ©️iStock.com

 男性は柏木氏と自動車の販売を巡るトラブルを抱え、車の中に血痕が残っていた。女性はその血痕を拭き取った容疑だったが、2人は容疑を否認し続け、凶器は見つからず、釈放された。

 女性は後に朝日新聞の取材に応じ、長時間に渡る連日の取り調べで疲れ果て、混乱し、女性の供述を捜査員が「犯行を認めた」と強引に解釈したこともあったと明かした(92年4月14日付け)。

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