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ファックスのほうがよかった? 新宿区・吉住区長が明かすコロナ情報共有システム「ハーシス」の問題点

 新型コロナの情報を国で一元管理しようと厚生労働省が5月から運用を始めた「HER-SYS(ハーシス)」。各医療機関が感染症法で提出を義務付けられている「発生届」をオンラインで入力し、保健所や自治体、国が即座に共有できるという鳴り物入りのシステムだ。だが利用している医療機関は約4割に過ぎない。

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「現段階では、医療機関や保健所にとって使い勝手の悪い部分もあります」

 そう明かすのは新宿区の吉住健一区長(48)だ。

 新宿区は日本一の歓楽街・歌舞伎町を抱え、都内で最も感染者数の多い自治体。6月には小池百合子東京都知事から「夜の街」の代表例として名をあげられたことも加わり、今も風評被害に悩まされている。

 10月の小池知事との意見交換会で、吉住区長は「感染者増は検査を誠実に行ったから。地元に配慮した情報発信を」とチクリ。そんな“モノ言う区長”がハーシスを懸念する理由は何か。

「入力項目が多く、氏名、症状、基礎疾患の有無、感染経路など100項目程度にも及びます。厚労省は必要最低限の入力でいいと言っていますが、パソコン画面をどんどんスクロールしないといけない。また、プリントアウトしようにも、何枚にも渡ってしまう。患者の対応等で混乱を極める状況の中で、今まで慣れてきたやり方から急に変更するのは負担が大きいと、現場からは聞いています」