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連載完全版ドキュメント・北九州監禁連続殺人事件

2020/11/17

genre : ニュース, 社会

 これらのやり取りに続き、緒方の罪状認否となった。白シャツにジーンズ姿の緒方が証言台に立つ。松永弁護団の意見書と同じく、起訴された順に緒方は認否を行っていく。

北九州監禁連続殺人事件をめぐる人物相関図

緒方の罪状認否

●緒方花奈ちゃん事件

「甲女とふたりでしました。殺害の事実は認めます。電気コードによる絞殺で、(起訴内容にあった)すのこに縛るのはやっていません。通電による殺害ではありません。松永と共謀してやったことは間違いありません。実行行為は私と甲女のふたりです」

●緒方孝さん事件

「父・孝の死亡の事実は認めます。ただし、殺意はありませんでした。(通電箇所は)唇ではなく両乳首でした。私が通電しました。共謀の意味はわかりませんが、通電の前に『交代してくれ』と言われ、交代しました。最初に松永が通電していました。その後、父が死亡しました。それを共謀というのかどうかはわかりません」

●緒方和美さん事件

「認めます。(起訴状への)記載の通りです。使ったのは電気コードです」

●緒方佑介くん事件

「間違いありません。(起訴内容には)コードまたは帯様のものとありますが、電気コードです」

●広田由紀夫さん事件

「間違いありません。殺意を持って、私に関しては未必の故意があったのは間違いありません。死ぬかもしれないと思いましたが、『構わない』は語弊があります。でも、見殺しにしています。松永がそう考えていたかどうかは、私にはわかりません。ただ、(起訴状への)記載の事実は、松永の命令がなければ行ってはいませんので、それが共謀になるのだとすればそうです。生活全般においては、松永に従ってましたので」

●緒方智恵子さん事件

「間違いありません」

 これで緒方の認否は終了した。広田由紀夫さん事件について緒方が認否を証言している際、松永は下を向いて聞いていたが、「生活全般においては、松永に従って――」のくだりの部分で顔を上げ、緒方の背中を見つめていたのが印象的だった。