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2020/11/19

 10月にアメリカはイギリス軍との有志連合で、カブールのタリバン政権中枢やアルカイダの訓練所などへの空爆を開始した。投下された爆弾は約1万トン。第2次世界大戦中にドイツ軍がロンドン大空襲で投下した爆弾の半分に相当すると言われている。

 反タリバンの「北部同盟」や有志連合の地上部隊も攻勢に出て、首都カブールやタリバンの本拠カンダハールを攻略。戦闘開始から約2カ月でタリバン政権は崩壊した。その後、ビンラディンはタリバンの最高指導者ムハンマド・オマルと逃亡したが、2011年に米軍の作戦によってビンラディンも死亡した。

2001年10月に米国によって行われたアフガニスタンへの空爆 ©getty

2代目指導者の座についたエジプト人医師

 その後、イスラム国の台頭などもあり、日本ではアルカイダの名前は徐々に耳にしなくなっていった。しかし実際には前出のエジプト人の医師・ザワーヒリーが2代目指導者に就任。その後も、アルカイダは変わらず活動を継続している。

 米国の対アルカイダ作戦も、最初の空爆から約19年に渡って続いていたが、2020年2月、米政府とタリバンはアフガニスタンからの米軍撤退で合意。米軍撤退の条件のひとつには、タリバンがアルカイダなどの国際テロ組織と協力しないことが挙げられ、タリバンも表面的にはこれを了承した。

 しかし同年5月、国連がタリバンは今もアルカイダと協力関係にあるという報告書を公開したのだ。これによると、アフガニスタンには数百人のアルカイダ戦闘員がおり、タリバン兵とともに軍事活動を続けているという。

2001年11月に行われたアフガニスタン・カブールへの空爆 ©getty

アルカイダを支援し続ける複数国家の存在

 アルカイダの支部はアジアからアフリカまで各地に点在する。米政府はシリア、イエメン、ソマリアなどでも対アルカイダ作戦を展開している。2020年9月にはシリアのアルカイダ系組織フッラースッディーンの幹部をドローン攻撃により殺害したと発表した。

 フランスも主に西アフリカで対アルカイダ作戦を展開している。2020年6月にはマグリブのアルカイダの指導者を殺害したと当局が発表。9月に仏紙シャルリー・エブドが預言者ムハンマドの風刺画を再掲すると、アルカイダが再度の攻撃を警告する文書を公開した。2015年にシャルリー・エブドの事務所を攻撃したアルジェリア系イスラム教徒のクアシ兄弟は、アルカイダのメンバーだった。

イスラエル諜報特務庁、通称モサドの公式ウェブサイト

 今回殺害されたと報じられたマスリは、1998年のケニアとタンザニアの米大使館爆破テロの首謀者とされる。そのマスリがイランで暗殺されたという事実もまた、アルカイダが世界に広く支援者を持っていることの証だ。

 そしてイランは、1990年代からアルカイダを支援していると言われてきた。