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大学病院としての社会的使命を胸に高精度ながん治療に取り組む

東京慈恵会医科大学附属病院

2020/12/21

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がん放射線治療を年間約900件実施する東京慈恵会医科大学附属病院放射線治療部。より高精度な治療の提供を目指し、今年3月にラディザクトシステムを導入した。

患者さんが求める質の高いがん治療を提供

東京慈恵会医科大学 放射線医学講座教授
放射線治療部 診療部長
青木 学 Aoki Manabu

1988年東京慈恵会医科大学卒業。91年癌研究会付属病院放射線治療科、93年ハーバード大学放射線腫瘍科、94年東京慈恵会医科大学放射線科助手、99年フロリダ大学およびシアトル前立腺研究所、2005年放射線医学講座講師、10年同准教授および診療副部長、15年4月放射線治療部診療部長、16年8月放射線医学講座教授。

 当院では、さまざまながんに対して多様な放射線治療を提供しています。中でも得意としてきたのは、頭頸部がんや前立腺がんの治療で、現在はこれらが全体の約4割を占めます。放射線治療は、コンピュータとビーム照射技術の恩恵を大きく受けている分野の1つです。今年導入した高精度放射線治療機のラディザクトシステムは、腫瘍(がん)の形に合わせて放射線を3次元的に集中照射でき、周囲の正常な組織に当たる放射線量は従来機種よりも低いことが大きな特徴です。

質の高い放射線治療はチーム医療によって支えられている。技術面の専門職医学物理士は2名在籍。
質の高い放射線治療はチーム医療によって支えられている。技術面の専門職医学物理士は2名在籍。

 その治療対象として今後力を入れて取り組んでいきたいのが、手術不能肺がんと転移性脳腫瘍です。肺は呼吸で動くため、放射線を腫瘍だけに集中照射するのは難しかったのですが、ラディザクトシステムのシンクロニーオプション(今後当院でも追加予定)では呼吸に合わせて放射線ビームがリアルタイムで腫瘍を追尾する機能があります。高精度放射線治療の中でも、一回の照射線量を上げて短期間照射する定位放射線治療では、治療期間は8週間から1週間にまで短くなり、患者さんの負担は大きく減ります。

 肺がんや乳がんに多い転移性脳腫瘍の場合は、全脳照射を行うと認知機能が低下するリスクがありましたが、ラディザクトシステムでは海馬という記憶を保存する部分をできるだけ避けて照射することができます。がんを抱えながら長く生きる患者さんが増える中、認知機能低下のリスクを低減できることは、極めて大きなメリットがあると思います。

 高精度放射線治療は、肝がん、膵がん、腎がん、前立腺がんなどでも有効性を発揮します。前立腺がんは、当院ではもともと多くの患者さんを診ているので、高精度放射線治療も引き続き提供していきたいと考えています。

 緩和治療においては、直径5㎝以下の椎体(脊椎の骨)転移と5個以内の少数転移(オリゴ転移)が、今年4月に定位放射線治療の保険適用となり、当院でも積極的に取り組んでいます。椎体は神経の束である脊髄に隣接していますが、脊髄を避けて照射できるため安心です。

 自分の家族のように患者さんを診るという心構えで、放射線技師や医学物理士とも協力して質の高い治療を提供していきます。

INFORMATION

東京慈恵会医科大学附属病院
〒105-8471 東京都港区西新橋3-19-18
TEL.03-3433-1111(大代表)
https://www.hosp.jikei.ac.jp

出典 : 文春ムック スーパードクターに教わる最新治療2021