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“安定運用”の慶応と“リスク投資”の早稲田 経営の“早慶戦”勝つのはどっち?

2020/12/04

 11月26日、東京歯科大学との合併協議に入ったことを発表した慶応大学。今回の合併で日本の総合大学として初めて「医・歯・薬・看護」の医療系4学部を持つことになる。「医学部設置が悲願」と言われて久しい、ライバル・早稲田大学に差をつけた形だ。

合併実現で11学部体制となる慶応(写真は三田キャンパス) ©共同通信社

「慶応が“拡大路線”を取れた理由の一つが、財務体質の健全ぶり。その象徴が全国のOBなどから寄せられる潤沢な『寄付金』と、安定的な『資金の運用益』です」(大手証券幹部)

 慶応出身者の母校愛は広く知られるところだが、実際、2019年度の寄付金は約99億円に及ぶ。有価証券運用額は964億円(20年3月末時価)。主な内訳は債券710億円、株式29億円、投資信託211億円などだ。

「かつて慶応は株式やデリバティブなどリスク資産に積極的に運用する大学で有名でした。ところが、リーマンショックで535億円もの含み損(08年度末)を抱え、収支も赤字に転落した。この時の反省から、以降、安定運用に切り換え、現在の資産配分は債券が全体の7割強を占めているのです」(同前)

 かたや、慶応の後塵を拝している早稲田。資産運用では、“安定運用”の慶応とは対照的に、“リスク投資”に舵を切っている。