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戦慄の名作ドキュメンタリー「同じ遺伝子の3人の他人」は何がすごいのか

2020/12/07
 

 アマゾンプライム会員なら無料で見放題の「プライム・ビデオ」。そのお得な作品群にとんでもない名作が眠っていることがある。偶然目にした『同じ遺伝子の3人の他人』というドキュメンタリー作品は、まさに掘り出し物だった。(注・現在はNetflixで視聴可能)

 物語は、ボビーという男性が体験した約40年前の奇妙な出来事から始まる。1980年、ニューヨーク州の短大に入学した彼は、登校初日に見知らぬ学生から次々に声をかけられ、ハイタッチを求められ、女子学生からはキスされる。初めて会うのに馴れ馴れしく接する人々に戸惑っていると「エディ、元気だった?」と別人の名で呼ばれる。「僕はエディじゃない」と言っても聞いてもらえない。彼と対面した学生は「エディの分身だ。顔も髪の毛も瓜二つ」と驚き、震え上がったという。

 謎は奇跡の物語へと変わる。実は、ボビーとエディは生後すぐに養子として別々の里親に引き取られた一卵性双生児だったのだ。運命の悪戯か、エディが休学中の短大にたまたまボビーが入学し、2人は19年ぶりの再会を果たした。

 話はこれで終わらない。この奇跡の再会が新聞で報道されると、双子の写真を見た人が「デビッドにそっくりだ!」と仰天した。瓜二つの人物がもう1人存在したのだ。なんとボビー、エディ、デビッドは、生後すぐに養子に出された三つ子だったのである。

 生き別れた三つ子の感動的な再会物語かと思いきや、ここまでのくだりは作品冒頭の10分程度。物語はここから思いもよらぬ方向へ進んでいく。異なる家庭で育った3人だが、2歳年上の養子の姉がいるという奇妙な共通点があった。一方で、里親の職業や収入、教育方針は典型的というほど三者三様。それらの事実に隠された“秘密”とは?

 日本では、2018年の東京国際映画祭で上映されただけで一般上映はされていない本作。その悲しき結末を自身の目で見届けて欲しい。

INFORMATION

『同じ遺伝子の3人の他人』
https://www.netflix.com/title/80240088

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