〈あらすじ〉
画家のマリアンヌ(ノエミ・メルラン)は、ブルターニュの貴婦人から、娘のエロイーズ(アデル・エネル)の見合いのための肖像画を依頼され、孤島に建つ屋敷を訪れる。エロイーズは結婚を望んでいないため、マリアンヌは身分を隠して彼女に近づき、記憶を頼りに肖像画を完成させる。真実を打ち明けたマリアンヌに、エロイーズは絵の出来栄えを酷評し、モデルになると申し出る。見合いを急ぐ貴婦人に、マリアンヌは5日間で絵を完成させると約束する。カンバス越しに向かい合い、音楽や文学について語り合ううちに、2人は強く惹かれ合っていく。
〈解説〉
18世紀フランスを舞台に描く、貴族の娘と女性肖像画家のラブストーリー。監督・脚本は『水の中のつぼみ』のセリーヌ・シアマ。第72回カンヌ国際映画祭で、脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した。122分。
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中野翠(コラムニスト)
★★☆☆☆緊密な対話劇として味わうべきなのだろうが、正直言って画家役の女優の顔(表情)がイヤ。海辺の風景はさすがに目を奪うが。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★★古風な題名を突き破る強力な呪術が働いている。観察者と観察者が向き合い、植物が急に開花するように発熱する。鮮烈だ。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆無駄な音楽を流さぬ効果か貧しい女たちの集会での歌声は心に響く。全裸を見つめ合う場面には倫理の縛りを感じ残念。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆内部に新しい穴があくような恋愛体験。端正かつ情熱的。鍵盤の使い方も含めて『ピアノ・レッスン』を更新した一本か。
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洞口依子(女優)
★★★★☆ゆっくりと燃え、心に残火。骨に刻まれるほどの美しさ。封印した昔の恋人の熱い記憶のように美しく忘れられない一編。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
『燃ゆる女の肖像』(仏)
12月4日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開
https://gaga.ne.jp/portrait/
