「週刊文春」12月3日発売号で公開した、東証一部上場企業「Casa」の宮地正剛社長(48)の社員“罵倒音声”。公開後、元社員や現役社員から“告発”が続々と寄せられ、新たに複数の音声データを入手した。
その中には、社会の公器である一部上場企業としてのCasaのあり方が問われる発言も含まれていた。
音声データによれば、2018年6月28日、15人ほどの役員会議の場で、顧客のメールアドレスが誤って外部に流出した問題を話し合う際、宮地氏は次のような発言をしている。
「今、この会社における内部統制、判断基準は俺じゃ、ということだ。規定じゃない、俺なんだ。俺がすべてなんだ。でも俺でも判断間違えることあるだろうな。それでも、ここにいる社員の中で、俺より優れた判断ができる人間は一人もおらん。(中略)すべては私が判断基準です。くれぐれも、間違わないように」
同年7月17日には、50人ほどが参加する朝の会議で、四半期決算の説明ができなかった社員に対し、こう語っている。
「クソサラリーマンというのは、しょせん他人事だから当事者意識がないし、責任感がない」
「上場してるいうても、俺の会社や」
OMM法律事務所の大塚和成弁護士はこう指摘する。
「内部統制、判断基準が自分であると社長が発言することは、統制環境の欠如といえます。そもそも内部統制は経営者の独断をけん制するためのシステムですので、社長の無理解が露呈しています」
「Casa」宛に上記の発言の意図を問う質問書を送付したところ、質問には答えず、代理人の弁護士が「宮地氏が反社会勢力であったり、反社会勢力と交際関係にあったりする事実はありません」と回答した。
12月10日(木)発売の「週刊文春」では、小誌報道直後の「Casa」社内の様子や、宮地社長が社員に送った<バカなのか?>メールの内容、1泊2日の”社長選抜合宿”などを報じる。

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